徳川綱吉

徳川綱吉(1646~1709)-動物(人を含む)の権利活動家
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生類憐みの令とは
単一の法令を意味するのではなく、1685年(この年に出された、犬猫を繋ぐことを禁止し、犬猫が将軍の御成道に出てきても構わないとしたお触れが最初)から1709年(徳川綱吉の死去)の24年間にわたって、徳川五代将軍綱吉によって強力に推し進められた、人間(捨子、病人、囚人、被差別民など)を含む動物全般(犬・猫・馬・牛などの哺乳類、ヘビなどの爬虫類、金魚などの魚類、コオロギなどの昆虫...)に対する憐み(生類をいつくしみ、楽を与える慈と、生類をあわれんで、苦を除く悲からなる心情)政策に関わる多数(総数135件)のお触れの総称。

生類憐みのお触れ(一部)
・犬と猫を紐で繋ぐことを禁じ、御成道(将軍や宮家が通る道)に犬や猫が出てきても構わないとした。(1685年7月)
・拵え馬(こしらえうま|馬の尾や腹などの筋を伸ばして見た目を良くするという当時の流行)を、馬の体の一部を傷つける不仁なこととして禁止した。(1685年9月)
・江戸で大八車や牛車による犬などとの事故を起こさないよう注意を喚起し、野犬に餌を与え、すべての生類に対して「生類あわれみの志」をもって対応するように命じた。(1686年7月、1687年7月)
・重病の生類を生きているうちに捨てること(捨子・捨て老人・捨て牛馬など)を禁じ、違反者の密告を奨励した。(1687年1月、1695年10月)
・江戸の町人には町内の犬、武士には江戸屋敷の犬を、それぞれ犬毛付帳(犬の特徴、病気・事故・所有者等の履歴などを記録する帳面)を使って登録管理し、犬が行方不明になった場合には徹底的に探すように命じた。(1687年2月)
・飼育している魚鳥・亀・貝類を食料としたり、これを売買することを禁止した。(1687年2月)
・捨子が見つかった場合にはそのところの者がまず捨子が死なないように養育し、養親が見つかった場合には引き取らせることを優先させるように命じた。(1687年4月)
・慰みとしてのコオロギ・キリギリス・松虫・鈴虫・玉虫などの昆虫類の飼育を禁止した。(1687年7月)
・捨て馬をする者には島流しの刑に処するとしたうえで、領内より馬の遺棄者が摘発された場合、その事情によっては代官や大名などの支配領主も処罰の対象にするとした。(1687年12月)
・田畑を荒らす猪や鹿、人や家畜を襲う狼に対するやむを得ない措置として、害獣の駆除を、殺生による穢れを最小限に止めるために定められた厳密な手続きに則ることを条件として(まず空砲で追い払い、それでも効果がない場合に、役人立会いの下、指定の期間のみ実弾の使用を許可し、殺生の理由を帳面に記し担当部署に届けさせた。また、殺した動物の食用や売買を禁止した)、害獣の殺生を許可した。(元禄2/1689年6月)
・全国に触れられた捨子禁令において、子供の養育が困難な場合には、あらかじめ定められた管理責任者(奉公人は主人、幕領では代官・手代、私領では名主・五人組)に届け出るように命じた。(1690年10月)
・江戸では捨子防止のため、町ごとに出生児と7歳までの子供を帳面に登録させ、名主がその管理責任者として、子供の移動等を把握するように義務付けた。(1690年10月、1704年9月)
・生類(蛇・犬・猫・鼠など)に芸を仕付けて見世物にすることを、生類を苦しめる行為として、禁じた。(1691年10月)
・江戸において、漁業を生業とする漁師を除いて、一般町人の慰みとしての魚釣りを禁じた。(1693年8月)
・将軍家の権威の象徴である鷹狩(鷹遣い)および鷹狩にかかわる儀礼(朝廷への「鷹の鶴(鷹狩による獲物の鶴)」の献上、大名との「鷹の鳥(鷹狩による獲物の鳥)」や「巣鷹(鷹のひな)」の授受(下賜/受領)など)を廃止した。(1693年9月)
・犬が咬み合っていたら、そこが皇族や将軍などの貴人の訪問先であっても、水を掛けて引き離し、犬が傷付かないよう対処することを命じた。(1694年2月)
・蹴鞠(けまり)の製作に犬の皮が使われることから、江戸では鞠商売を禁じ、職替えを命じた。(1694年7月)
・鷹匠や鳥見(鷹匠の下役で、鷹場を巡視し、鷹に捕獲させる鳥の群生状態を確かめる役人)などの鷹役人を全廃。鷹役人の一部は寄合番(1693年9月の鷹遣いの停止に伴って鷹役人の配転先の受け皿として設けられた職制)に役替えとし、犬小屋の担当や鳶(トンビ)や烏(カラス)の巣の取り払い(鳶と烏は、人や他の鳥類に危害を及ぼすため、生け捕りにし、数がまとまると伊豆諸島などに放鳥した)などの業務に当らせた。(1696年10月)

そのほか、幕府直轄の犬小屋(シェルター)の運営も行っています。
詳細はこちら
http://www8.plala.or.jp/spiritvoice/shourui.html




メモ souken

海外の動物福祉政策

欧州の動物福祉政策

1992年のマーストリヒト条約に「動物保護宣言」が付帯された
「動物保護宣言
会議は,欧州議会,理事会および欧州委員会,ならびに加盟国に対して,CAP,輸送,域内市場および研究に関する EC 立法を起草・実施する際には,動物の福祉要件に十分配慮するよう要請する。」


1997年のアムステルダム条約では,動物保護への言及は議定書(全加盟国による合意書)の形をとり,マーストリヒト条約よりも高い位置づけが与えられた。
対象範囲は立法から政策に拡大され,さらに動物を「感受性のある生命存在」(sentient being)として認めた。またその一方,宗教や文化的伝統への配慮も求められることとなった。
EC 設立条約に付帯する「動物の保護と福祉に関する議定書」
「 高位なる条約締結者は,感受性のある生命存在としての,動物の福祉の擁護と尊重が確実に改善されることを願い,欧州共同体を設立する条約に以下の条項を付帯させなければならないということに合意した:共同体の農業,運輸,市場,研究に関する政策の策定と実施において,共同体および加盟国は,動物福祉の要件に十分な配慮を行わなければならず,その際,とりわけ宗教儀式,文化的伝統および地域遺産にかかわる,加盟国の法的または行政上の措置と慣例を尊重する。」


2008 年のリスボン条約(2009 年12月1日に発効)では,EU条約本体に初めて動物福祉が取り込まれた。
EU の2つの基本条約(EU 条約とEU機能条約)のうち、EU機能条約に動物福祉が追加、かつ対象となる政策分野も増えた。(漁業,工業技術開発,宇宙)。
「第 13 条
農業,漁業,運輸,域内市場,研究,工業技術開発,宇宙に関する連合の政策形成および実施に際して,連合および加盟国は,動物は感受性のある生命存在であるから,動物の福祉上の要件に十分配慮する。その際,とりわけ宗教儀式,文化的伝統および地域遺産にかかわる,加盟国の法的または行政上の措置と慣例を尊重する。」


引用元:
農林水産省 平成 25 年度海外農業・貿易事情調査分析事業(欧州)報告書
第 III 部 EU における動物福祉(アニマルウェルフェア)政策の概要
http://www.maff.go.jp/j/kokusai/kokusei/kaigai_nogyo/k_syokuryo/pdf/h25eu-animal.pdf



スイスの動物福祉政策
家畜福祉の実践により助成金を受け取れる仕組み*EUにも同様のものあり

第一に 動物福祉に関する規制は 全般的かつ義務的なものとして動物保護法が制定されているが 家畜動物についてみれば それに加えて農業環境政策の一環としてBTS(家畜に優しい畜舎システム)とRAUS(家畜の規則正しい屋外での放し飼い)とよばれる規則が制定されている。これらの 規則を実践することは任意 であるが 直接支払制度における一つのメニュ となっており その実践によって助成金が受け取れるようになっている つまり と のプログラムは もう一段高いレベルの動物福祉水準をめざすための誘導策として組み込まれているのである。このような義務的規則と任意的規則を組み合わせて助成金によって政策誘導していく手法は まさに農業環境政策におけるクロス コンプライアンスの手法と同じである。


引用元:
スイスにおける動物福祉規制と農業環境政策-大山利男
http://nodaiweb.university.jp/noukei/pdf/NSO100_24.pdf

JRA 外圧に押されて動物福祉への取り組み

  • Day:2016.12.18 12:41
  • Cat:
【引用元】
JRAプレスリリースより

平成 28 年 12 月 12 日
J R A 報 道 室

お 知 ら せ

競走ルール(落馬再騎乗の禁止及びパッド付鞭の義務化)の変更及び
パトロールビデオの全レース公開について

平成29年より、下記のとおり競走ルールを変更します。またJRAホーム
ページにてパトロールビデオの全レース公開を行いますのでお知らせします。



1.競走ルールの変更

①落馬再騎乗の禁止
ルールの国際調和及び騎手と馬の保護の観点から、競走において騎手が
落馬した場合に、再騎乗して競走を継続することを禁止します。
※騎手が落馬した時点で、当該馬は競走を中止したものとします。

②パッド付鞭の義務化
ルールの国際調和及び動物愛護の観点から、競走において騎手が使用す
る鞭を、パッド付鞭に限定します。


○運用開始日:平成29年1月1日

2.JRAホームページにおけるパトロールビデオの全レース公開
現在、公開している重賞レースの全周パトロールビデオを、全レース
に拡大して公開します。
○変 更 内 容:【現在】重賞レース ⇒ 【変更後】全てのレース
○公開開始日:平成29年1月14日(土)
(第 1 回中山競馬第 4 日・第 1 回京都競馬第 4 日・第 1 回中京競馬第 1 日)
※ JRAホームページの「競馬メニュー」-「レース結果」で視聴できます。
※ 最終レース後に当日の全レース分を一括して掲載します。
(おおむね最終レース50分後までに掲載)
※ 競走中の個別事象を説明するパトロールビデオは引き続き掲載します。





【引用元】
2017年(平成29年)度 競馬番組について 競馬番組で別に定める事項など

本会が定めるむち及びむちの使用に関する禁止事項について

1.本会が定めるむち
日本中央競馬会競馬施行規程(平成 19 年理事長達第 28 号)第 95 条第 3 項の「本会が定めるむち」は,
下表に掲げる基準を満たしたものとする。ただし,裁決委員が不適当と認めた場合は,その使用を認めない
ことがある。
・むちの長さは 77 センチメートル未満であること。
・馬体の保護のため,むちの先端から以下に定める部分にわたって衝撃吸収素材を用いた
パッド(表面は滑らかで突起物がないもの)を装着したものであること。
・パッドの長さは 17 センチメートル以上であること。
・パッドの幅は 2 センチメートル以上 4 センチメートル以下であること。

2.むちの使用に関する禁止事項
騎手は競走において,下表の各項目に該当する方法で,むちを使用してはならない。
・馬が怪我をするほど,過度に強くむちを使用すること。
・肩より上方に腕を上げてむちを振り下ろすこと。
・反応(脚勢)のない馬に対し,過度にむちを使用すること。
・明らかに着順の大勢が決した後に,過度にむちを使用すること。
・入線後にむちを使用すること。
・ひばら(脇腹)へむちを使用すること。
・むちを過度に頻発して使用すること(2 完歩あけることなく,10 回を超えてむちを連続
して使用すること)。
・頭部もしくはその付近に対しむちを使用すること。
・原則として,鞍より前方に逆鞭でむちを使用すること。

人の「心の病気」のために実験に使われる動物

人の、恐怖や不安や「うつ」をなくすために、さまざまな動物実験が行われています。


人の外傷性ストレス障害(PTSD)の薬を開発するために行われる動物実験
SPS負荷ラットに試験薬を15日間投与したあと、ラットを箱に入れて4秒間の電気ショックを与える。24 時間後にまた同じ箱に入れた際の恐怖すくみ時間を計る』
PTSD:強い恐怖感を伴う経験をした人が、その経験を思い出して恐怖を感じたりパニックになったり、人生に絶望したりするなどの症状


SPS負荷ラット
心的外傷後ストレス障害(PTSD)として学際的に認められているモデル
SPSラットの作成方法
2時間の拘束→20分の強制水泳→15分間の休憩→エーテル麻酔を負荷
拘束にはこのような方法があります
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強制水泳とは出口のない容器に動物を入れて強制的に泳がせることです

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このようにして動物に恐怖を与え心に傷を負わせ「PTSDモデル」をつくり、実験に使っています。
グラクソ・スミスクライン社の販売する薬「パキシル」でも、上記のような動物実験が行われています。
http://www.info.pmda.go.jp/shinyaku/P201300142/340278000_21200AMY00200_A100_1.pdf



人の「うつ」に効く薬を調べるために行われる動物実験
学習性無力試験(絶望状態においた動物の反応を見る試験)
尾懸垂試験法
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『マウスの尾にテープを貼り付け、そのテープに穴を開けて懸垂用のフックに掛けます。逆さ釣りの状態をマウスは嫌がるので初めは暴れますが、次第にあきらめて無動となります。この状態を"絶望状態"と呼び、10分間中の無動であった時間(無動化時間)を計測します。抗うつ薬は無動化時間を短縮させる(絶望状態にさせない)効果があるので、抗うつ薬のスクリーニング法として用いられています。』
マウスが吊り下げられている下の写真と文は、星薬科大学のサイトより。

ほかにも絶望状態を作り出す動物実験方法があります。
シャトルアボイダンスを使う方法
下の動画の装置が「シャトルアボイダンス」です。音が鳴った後で、床に電撃が流されるとマウスはとなりの部屋へ逃げます。

真ん中のしきりを閉めると、マウスは電撃が流れても逃げることができなくなります。これを繰り返すとマウスは絶望し、無力になり動かなくなります。この状態で試験薬を投与し、しきりを開け、電撃を与え、マウスが隣に移動した回数から、その薬の効果をみます。
絶望状態をつくらせる「装置」にはさまざまなものがあり、星薬科大学では下のような電流の流れる装置を使っています。
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人の「不安」に薬物がどう作用するかを調べるための動物実験
コンフリクト試験
レバーを押すと餌が与えられるようにして、マウスにレバー押し行動を行うよう訓練した後、餌と同時に電気ショックを与える(絶水を施したマウスに水を飲むと電気ショックを与えるという設定もある)。
マウスは電気ショックを恐れ、レバー押し行動を行わなくなる 。(水は飲みたいが飲めないという葛藤(コンフリクト)状態)
抗不安作用のある薬物を与えると、そのマウスは電気ショックにかまわずにレバー押しを行うようになる。




人が恐怖の記憶で苦しむことのないように行われる動物実験
1.マウスをかごに入れ、ブザーを鳴らした直後に電気ショックを与える。マウスは、電気ショックにおどろき、はげしくジャンプする。
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2.24時間後に、マウスを別のかごに入れ、ブザーを鳴らす。電気ショックの記憶がよみがえり、マウスは身をすくめる。(下写真)
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3.身をすくめた時間を計る。
この実験は群馬大学大学院医学系研究科で行われた実験です。


2015年10月 遺伝子操作でうつ病モデルマウス作製に「成功」
理化学研究所のグループは、「ミトコンドリア病」の患者がうつ病や躁うつ病を併発することに着目して、その原因となる遺伝子を操作することで、自発的にうつ症状を繰り返すモデルマウスを初めて作製し、うつ状態の原因が脳内の特定部分の機能障害と関係がある可能性が高いことを突き止めた。
http://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/1/1/11240.html






ラットやマウスをおぼれさせたり、電撃を与えたり、身動きできない入れ物に閉じ込めたり、水が飲みたいのに飲めなくさせたり、遺伝子操作したり、人にはとうていできないことをすることで、なんらかの「新しいデータ」は得られるでしょう。実験者はその「発見」を学会で発表することができるでしょう。
でもそれだけです。

ラットを拘束しておぼれさせて作られたパキシルは、若者の自殺増加と相関関係にあることが報告されています。
2009年度の『自殺対策白書』では、自殺者が自殺したときの年齢は、精神科を受診していないグループより、受診したグループのほうが低い、となっています。
『精神科受診群は、非精神科受診群に比べて顕著に死亡時の年齢が低く、その60%が20~30代という比較的若年の成人であり、他方で、非精神科受診群の約75%が40歳以上であった』

できるだけ薬は使わないに越したことはありません。
しかし精神を追い詰められて行き場を失い、応急処置として、薬が必要なときがあります。
でもその薬をつくるために、動物実験をすることは正当化できる倫理的・科学的な理由はありません。

今使用されている抗精神薬がすべて、動物実験の結果発見されたものなのではありません。

最初の抗うつ薬であるイプロニアジドは、動物実験の結果発見されたものではありません。結核患者にこの薬を投与したところ、多幸的になるという観察が報告されたことによって、偶然に発見されたものです。
統合失調症の薬クロルプロマジンも、フランスの外科医がもともと手術後のショック症状の軽減のために使った薬が、患者に無痛覚をもたらすことが分かったことで開発されたものです。
抗躁病の薬リチウムはリウマチや痛風治療に使われていたもので、それが躁病にも効果があることが分かったものです。

(『精神疾患は脳の病気か』エリオット・ヴァレンスタイン 2008年著)




参考サイト http://kameriki.info/anxiety.html


以下、重要だと思われるコメントをいただいたので、追記します。
このコメントをいただいたことで、どうしても薬が必要なことがあるのだとわかり、記事の修正削除を行いました。

 横やりを入れるようで、申し訳ありませんが、やはり私も先のコメントの方と同様、薬を飲む我々患者を非難されたように感じました。私は躁鬱病という精神疾患を抱えており治療を続けています。躁状態の時に、多言、暴言、DV、浪費、異常な性欲、上司に対する上から目線な態度などがとまらず、入院したことがあります。現在は特に問題はありませんが、予防薬を服用しております。

 さて私が気になった点、不愉快になった点ですが、「人はどうでもいい」というよりも「精神疾患を患っている人に対して無知に基づく心無い発言をしてしまいがち」な印象を受けたことです。

具体的にはあなたが本文やコメントで書いた以下の4箇所です。

①「心の病気は、人的対応や社会的対応で治すのが基本です。」
②「あなたが悪くならないのは薬を飲んでいらっしゃらないからじゃないでしょうか?」
③「適切に使えば効果のある例もあるのですね」
④「心の病気になるととりあえずこの苦しみを何とかしてほしいと思います。とても苦しいです。一時的には救われます。でも覚せい剤と同じで、それがなければやっていけなくなります。それがほんとうに救うことになるのでしょうか?」

 こうした発言は、それを発言した側がどのような意図から発言したものであったとしても、しばしば精神疾患者を苦しめることになる可能性が高いことは理解しておかれた方がよいかと思います。

以下これら4つの書き込みについて、少しコメントします。

①病気にもよりますが、私の躁状態の場合、人的対応や社会的対応ではどうにもならなかったと思います。たとえば妻が私の話を聞いてるとき、妻が何か返答をすれば私は「なぜそんな返答しかできないんだ」と罵倒し、逆に妻が黙れば「なぜ黙っているんだ。お前はしゃべるだけの知性もないのか」と罵倒する。家族に連れられて病院に連れていかれた日、電車の中で家族に大声で怒りをぶつけ(椅子をたたく、ドアを蹴るなども、周りの乗客が引いていたようです)、診察待ち時間にも家族と大喧嘩し、診察中にも家族を罵倒するという状況でした。こんな状態の人に人的・社会的対応はまず無理だとおもいます(むしろ科学的に根拠のある有効な人的・社会的対応があるのであれば聞いてみたいものです)。

②逆に言うと「薬を飲むと悪化する(薬毒論)」ですね。私の場合は躁状態をかなり強い薬で鎮静化しました。入院中は副作用も強くでましたが、症状が良くなるのに合わせて、薬を徐々に減らし、今は予防薬のみです。これといった副作用もありません。予防薬を飲んでいることで入院中よりも症状が悪化したということもありません。

③少なくとも私には効果があるようですね。難しいのは「一般化」ですね。全体の何ケースがうまくいって何ケースがうまくいっていないのか。たとえば教員の不祥事が相次ぐと、あたかも教員全体に問題があるような印象ができてしまいますが、教員全体における問題のある教員の比率がわからないと正しいことは言えません。また「教員が」というのであれば、当然教員以外の職業集団との比較も必要です。医療の話になると、自分や知人の治った治らないの体験から、治療の効果が一般化されやすいですが、これは厳密な試薬試験をしなければわかりませんので、個人の体験談を集めていってもあまり意味はありません。もちろんわたしの治療経験もあくまで私がたまたまそうだったかもしれませんので、一般化はできません。

④少なくとも私の場合、薬物療法で救われた部分が少なからずあります。妻からも発病する以前のような温厚な性格に戻ったと言われています。またストレスがかかったとしても、極端に気分が上がったり下がったりすることなく、休めば元に戻るようになりました。さらに心の病気になったことで、心の病気を持つ人やその家族の辛さ(本の一部かもしれませんが)、心の病気への心無い発言(たとえば上に述べたあなたの発言)がどれだけ患者本人を苦しめるのか、といったことが当事者の実感としてわかるようになってきました。心の病気には、薬物療法も含めた近代西洋医学が有効である場合があることも実感できました。

 というわけで長々と書いてしまいましたが、こういう経験をする人もいるわけです。そして、私およびくろいのさんからすると、①人的・社会的対応で直すべきはずなににそれを知らないバカ、②薬をやめてなおったはずなのにそれを薬で治ったと勘違いするバカ、③効果のない治療法でも偶然なおることがある、④人間精神を薬に頼ってコントロールしようとするバカ(「覚せい剤」という喩もひどい)、と言われたように感じるわけです。

もちろん

>人への差別や搾取も看過できないものとして、原発や労働問題など、自分にできることに取り組んでいます

と考えているあなたが、精神疾患者をバカにして快感を味わっているような人間であるとは思えません。私も差別や搾取は許すべからざるものであると考えています。

ただ、医療に関する問題を扱うときは、さじ加減が非常に難しいと思いますね。医療の恩恵を受けるのは病人であり、差別の対象にもなりかねない「弱者」です。医療技術(動物実験も含む)を批判する言説は、時に医療技術がなければ困る人々に不安を与えます。両刃の剣といったところでしょうか。その辺のバランスが取れた価値観や言説がうみだせるとよいのかなと思います。




そして、もはや動物を使うのは時代遅れともいえるニュースが発表されました。
2016/11/22
脳の制御訓練で恐怖記憶を消去 PTSD治療に可能性

 人工知能(AI)を使って人の脳活動を制御する訓練をすることで、恐怖を感じたときの記憶を無意識のうちになくすことに成功したと、国際電気通信基礎技術研究所(京都府)などのチームが22日、発表した。
 災害や戦争に伴う心的外傷後ストレス障害(PTSD)の治療に応用できる可能性がある。一方で人々の洗脳に悪用される恐れもあり、チームは「生命倫理の有識者と慎重に使い方を検討する」としている。
 男女17人を対象に実験。赤色など特定の色の図形を見たときに、弱い電流を手首に流すという方法で実験参加者に恐怖記憶を植え付けた。
 その後、自分の脳活動を制御する訓練をしてもらった。



メモ kita

二酸化炭素による殺処分で、動物は苦しむのか

多くの自治体が、二酸化炭素ガスによる犬猫の殺処分を行っています。
衆議院調査局環境調査環境調査室資料より下図抜粋
無題
※注射では、麻酔薬であるバルビツール系や塩酸ケタミンが一般的に使用されています

注射による安楽殺の方法(新潟県生活衛生課に確認)
1.全身麻酔+鎮静剤を注射
2.筋弛緩剤を注射
※暴れる犬などに対しては注射ができません。その場合はケージに追い込み動けない状態にして麻酔注射をうつとのことです。麻酔+鎮静剤入りの餌を食べさせたらいいのではないかとも思い、その事をたずねると、そういった方法も何度も試したけど、効果が出ないことが多かったそうです。そのため、やむをえず注射による方法がとられているということでした。


私の住む大阪府(※)でも、新潟県と同じように一頭一頭、注射による殺処分を行っています。
(殺処分機を新設予定ですが、これは二酸化炭素による殺処分ではなく、吸入麻酔剤(イソフルランか、それと同等の薬剤)併用の機械とのことです。狂犬病発生時などの危機管理対策のためにより人道的な安楽殺ができるよう導入を予定しているということです。また暴れて注射できない動物を、安楽殺する場合にも、この機械が必要だということです。2014.7月大阪府に確認)
※大阪「市」ではガス室(麻酔なし)での殺処分が行われています。一部病気の動物に対しては注射による処分もしているとのこと(2014.9月確認)

大阪府の一年間(2012年度)の犬猫の殺処分数は3,172頭。 
※中核市(高槻市、東大阪市)、政令指定都市(大阪市、堺市)は除く

隣の兵庫県では、2012年度に4,968頭の犬猫が殺処分されています。
兵庫県の殺処分は、二酸化炭素を用いてガス室でおこなわれます。
(負傷動物など弱った犬猫に対しては、注射器による殺処分)

※2012年度の全国殺処分数→ http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/files/h23_dog-cat2.pdf

ガス室での殺処分

わたしには、「暴れているが苦しんではいない」とはとても見えず、見知らぬ場所へ連れてこられ、数日を不安の中で過ごしたのちに、このような方法で殺されることはどんなに辛いことだろうか、と思われます。

2013年3月はじめ。兵庫県に、殺処分方法を二酸化炭素によるガス室ではなく、一頭一頭麻酔注射器による方法か、あるいは山口県下関市のように二酸化炭素ではなく麻酔剤によるガス室での処分を検討してもらえないか、問い合わせました(生活衛生課の方が対応)。
その方が言われるには
「二酸化炭素による殺処分方法は、環境省が処分方法として『妥当だ』として示しているものである」
「二酸化炭素による殺処分方法は、苦しんでいるように見えるかもしれないが、実際のところはわからない。苦しんでいるという、科学的なデータを持っていますか?」
「一頭一頭麻酔注射でと言われるが、その注射をするときに、動物はおとなしくしているのか?暴れるのではないか?動物を押さえつけないといけないのではないか?それは動物をより苦しめることになるのではないか?」

電話を切ったあとで、調べました。

環境省が二酸化炭素による殺処分を認めているのか?
動物の殺処分方法に関する指針の「解説」の中で、環境省は、確かに殺処分方法の一つとして「二酸化炭素」をあげています。それは1995年に定められた古いものですが、環境省に電話して確認したところ現在も同じ方針であるということでした。ただ、どういった殺処分方法を選ぶかについては「各自治体に任せている」とのこと。
※解説は、インターネットで見ることができません。

二酸化炭素注入による殺処分で、動物は苦しんでいないのか?
2012年の衆議院環境局環境調査室資料(2012年に動物愛護管理法が改正されましたが、その改正のために審議された内容などについてまとめられたもの)では、二酸化炭素による殺処分について次のように書かれています。

麻酔ガスによる複数頭の殺処分は安楽死なのか疑問ではある。ただ、米国のように1頭ずつ静脈注射をするのは困難。(獣医師による意見)


日本大学獣医内科学研究室の研究では繁殖の役に立たなくなったビーグル犬雌を17頭実験に使い、二酸化炭素により死に至らしめる際の麻酔効果と覚醒状態を研究しています。
(繁殖させるために動物を利用し(ビーグル犬ということですから、実験用のビーグル犬かもしれません)殺す際に、さらに実験で使用するという非人道的なことが行われています)

【方法と結果】実験犬には、動脈圧測定用のカテーテルを大腿動脈、脳波測定用の電極を頭頂部皮下にそれぞれ留置した。実験犬は、急速炭酸ガス注入群、段階的ガス注入群 イソフルレン-炭酸ガス注入群 (このイソフルレンが、山口県下関市で、日本で唯一行われている麻酔ガスによる殺処分方法です)の3群に分けた。
急速炭酸ガス注入群は、二酸化炭素が95%の時に動脈血圧と心拍数の急速な低下を認めたが、脳波の値は覚醒を示す92±10であった。血液ガス測定では急速な二酸化炭素分圧の上昇と酸素分圧の低下を認めた。
段階的ガス注入群は、チャンバー内の二酸化炭素の上昇に伴って徐々に動脈血圧と心拍数が低下し、脳波の値も二酸化炭素60%で53±21、80%で41±23、95%で31±19と低下した。血液ガス測定では急速な二酸化炭素分圧の上昇が認められたものの、酸素分圧は段階的な低下を認めた。
イソフルレン注入群では、イソフルレン注入後に動脈血圧の低下と心拍数の上昇を示し脳波の値は54±10であった。その後炭酸ガスの急速注入で心拍数と動脈血圧と脳波の値29±20の低下が認められた。血液ガス測定では二酸化炭素注入後に急速な二酸化炭素分圧の上昇が認められ、酸素分圧は段階的な低下を示した。

【考察】二酸化炭素の急速注入は、中枢よりも先に循環動態への影響が大きく、覚醒下で低酸素(低酸素になると激しい頭痛、下痢、嘔吐などが起こる)陥ることが明らかとなった。
また、段階的な二酸化炭素の導入においては麻酔効果も段階的に現れたが、炭酸ガスによる刺激のためか忌避行動が観察されたため、安楽な麻酔状態ではないと考えられた。
イソフルレン麻酔の併用では、イソフルレン麻酔による非覚醒状態で炭酸ガスを導入するため、他の注射麻酔による深麻酔と同等な効果が得られると考えられた。

諸外国の状況・知見
アメリカの半分の州はガスによる殺処分を禁止しています。残りの州に対してもHSUS(全米人道協会)は、膨大な科学的データをもとに「ガスによる殺処分は動物を不必要に苦しめる」として、廃止を求めています。
Bringing an End to Inhumane Euthanasia
http://www.humanesociety.org/animals/resources/facts/end-inhumane-gas-chambers.html?referrer=https://www.google.co.jp/
WSPA(世界動物保護協会:現在はWAPと改名)は、犬と猫の場合、二酸化炭素殺処分は受け入れられないとしています。
http://www.icam-coalition.org/downloads/Methods%20for%20the%20euthanasia%20of%20dogs%20and%20cats-%20English.pdf
イギリスでは注射による安楽殺が行われています。
AVMA(アメリカ獣医師会)は条件付きで二酸化炭素を認めていますが、推奨はしていません。またこの「条件」をすべて整えるのは困難かもしれません。
http://atwork.avma.org/2013/02/26/euthanasia-guidelines-the-gas-chamber-debate/
OIE(世界動物保健機関)の動物福祉基準「野良犬の人口抑制(Stray dog population control)」では、犬への二酸化炭素を使用した殺処分は「死ぬまでに時間がかかる場合があり、苦しむ可能性がある」とされています。
http://www.oie.int/index.php?id=169&L=0&htmfile=chapitre_aw_stray_dog.htm

動物種によっては二酸化炭素が妥当な場合もあるかもしれませんが、犬猫に関しては、二酸化炭素殺処分は苦しむリスクがあり、もっとも苦しむリスクが低い方法は安楽死用注射剤だ、というのは間違いがなさそうです。



麻酔注射は、より動物を怖がらせるのか?
麻酔注射による殺処分を行っている、大阪府に確認。
「いったん引き取った犬猫は施設で保護するが、引き取り手がないとなると『ケージ』にいれて、処分する施設へ移動させる。ケージに入れたまま、ケージの隙間から手を入れて麻酔注射を打つ。」そうです。そのため暴れる、という状況にならないようでした。

麻酔注射による殺処分のレポート(アニマルライツセンターより)
→ http://www.bethevoiceforanimals.com/satsusyobun/detail/satsusyobun_02.html

ほかの自治体での、麻酔注射による殺処分


2013年3月6日
兵庫県 生活衛生課へ上記を伝え、日本大学獣医内科学研究室の研究報告が掲載されているURLを知らせ「殺処分方法を、苦しみの少ない方法へ変えてほしい」と再度要望。


アニマルライツセンターより
自分の住んでいる自治体に、殺処分方法の改善を求めよう
※下のほうに各自治体の動物行政担当窓口へのリンクがあります。


大阪府の動物行政担当の方は、このようにも言われていました。
「飼い主に連れてこられて、見知らぬ施設で何日か過ごし、そのあとケージに入れられ殺処分の場所へ連れて行かれ、処分される。それが動物にとってどれだけ苦しいことか考えると、一番いいのは、飼い主の腕の中で麻酔注射で処分されることではないかと思うこともあります」


メモ souken