「私たち人間の都合だけで、鶏を不幸せにしていいんでしょうか?」参議院農林水産委員会で言及

  • Day:2016.03.11 02:15
  • Cat:畜産
第190回国会
2016年3月10日(木曜日)参議院農林水産委員会で、小川勝也議員が畜産動物のアニマルウェルフェアについて言及しました。
小川議員秘書の計らいで、傍聴に行ってまいりました。


小川議員は冒頭「私は日本は先進国だとならってきて祖国に誇りを持っていた。しかし近年日本が世界に劣っているなあと思う分野がいくつかある。その中でも一番劣っているのがアニマルウェルフェアの概念だと思います」と述べ、日本の畜産動物福祉の評価が、中国やフィリピンよりも劣っていることを明らかにしました。


そして、日本のと畜場で牛や豚が水が飲めない状況にあることを資料で明示し、このことはOIE(世界動物保健機関)基準に反する、OIE基準の存在を知っているかと森山ひろし農林水産大臣にと問いただし、アニマルウェルフェアの意識を高めることを求めました。


次に、海外と日本の規制の比較表を提示し(*)、豚のストール飼育、豚の歯・尾の切断、鶏のバタリーケージ飼育、鶏のクチバシの切断の問題について、一つずつ言及していきました。


妊娠ストールの母豚の写真が掲載された資料を示し「繁殖用のメスの豚です。だいたい身動きのできないところで育てられているのが私たちの国ではほとんどであります」、豚の歯の切断については「麻酔なしの歯の切断は悲惨だ」「人間の歯もそう変わりありません。想像してみてください。麻酔なしでニッパーで歯をカットしようとするとどういうことになるでしょうか」「ずっと痛みにさいなまされる豚もいます」と述べ、80%の養豚場で豚の尾が切断されていることも明示しました。

そしてバタリーケージについては次のように述べました。

「なるべく狭いケージで小さい鶏で、卵をたくさん長期間産むように改良に改良を重ねてきたのが私たちの国の鶏卵生産現場です。そのおかげで物価の優等生といわれています。」

「私たち人間の都合だけで物価の優等生だということで鳥を不幸せにしていいんでしょうか?嘴を切断します。神経があるので痛いのではないかと言われています。鶏という動物がどういう動物かというと、一日に15000回地面をつつく。そして彼らも産まれてきた特徴があります。止まり木が必要である、砂場が必要である。そして地面をつついて餌があるかどうかを探したい。これを全部人間の欲望だけでクチバシをカットしてバタリーケージに押し込めているのが世界に冠たる経済大国、日本の姿なんです」




最後に小川議員は
「儲かる農業、これは否定しません。しかし私たちの国の農業は持続、共存これが大事だと思います。人間さえ良ければ家畜はどんなことをしてもいいんだという概念は私は間違っていると思う。もっともっといい国にしようじゃありませんか。」と述べ、ともに努力していこうと訴えました。



政治を担う人々が集まる国会という場で、このように詳細にわたり畜産動物の飼育の問題が取り上げられたのはおそらく初めてではないかと思います。「産業動物」というくくりで、その感受性についてクローズアップされることのほとんどない畜産動物たちの現状に、ほかの議員の方々も驚き、関心を持ったように感じました。


この小川議員の問題提起がきっかけとなり、畜産動物の苦しみを少しでも減らせるよう、私たちアニマルライツセンターは今後も尽力します。


*下記の比較表から「絶食・絶水による採卵鶏の強制換羽」「強制給餌(フォアグラ)」を除いたもの
http://www.hopeforanimals.org/animalwelfare/00/id=422



会議録


当日の小川議員の質疑は、下記のリンク先から動画で見ることができます。
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
*審議中継カレンダーで3/10を選択し、ポップアップ画面で小川勝也(民主党・新緑風会)を選択してください。
アニマルウェルフェアについての質疑は2:25:37ごろから始まります。

動画視聴には期限があります。期限切れの場合は、下記のリンク先から会議録をご覧ください。
http://kokkai.ndl.go.jp/
*詳細検索を選択し、日付を入力し検索してください。

OECD-FAO 畜産動物の犠牲量予測

  • Day:2016.02.27 21:52
  • Cat:畜産
2015年に発表されたOECD-FAO Agricultural Outlook(OECDとFAOの農業予測)では、農業の年次統計および主要な農産物の今後の予測が行われています。

2024年までに日本の一人当たりの肉消費量は、鳥の肉を除いて増加すると予測されています。世界全体の予測は、牛・子牛・豚の肉が少し減少し、羊・鳥の肉が増加すると予測されています。
名称未設定 1

しかしこれは「一人当たり」であって、人口の増加にともない、牛・子牛・豚・鳥・羊の犠牲はいずれも今後大幅に上昇すると予測されます。(グラフは鳥 単位は千トン)
名称未設定 1

結局のところ世界の大勢を動かしているのはアニマルライツや倫理ではなく、経済です。
その中で動物のために何ができるかを模索していかなければなりません。




OECDデータ―Agricultural output
https://data.oecd.org/agroutput/meat-consumption.htm



参考
食肉鶏卵をめぐる情勢 生産局畜産部食肉鶏卵課
平成28年2月
http://www.maff.go.jp/j/chikusan/shokuniku/lin/pdf/meguru_syoku.pdf

sou

畜産動物の扱いは、すべて機械でやれば良い。

  • Day:2016.02.06 03:24
  • Cat:畜産

2015年 日本の屠殺場
一日の豚の屠殺数 44,000頭


非人間的と言われる「搾乳ロボット」ですが、実際には搾乳ロボットのほうが乳牛のストレスが少ないことが分かっています。
「捕鳥作業」もそうです。
ブロイラー鶏出荷の捕鳥作業は、夜中に一気に行われます。この捕鳥作業も人の手でやるより、機械で捕まえたほうが鶏の心拍数がより早く平常値に戻ったという報告があります(Duncan-1986年)

自分自身が牛か豚か鶏だったなら、ぜひとも機械で扱ってほしいと思います。
その日の気分によって乱暴に扱ったり気味悪いくらい丁寧に扱う人間を相手に「今日はどんな扱いを受けるのだろう」とびくびくして過ごすよりも、穏やかで安定した機械を相手に過ごすほうがずっと楽です。
人の都合に合わせて乳を搾ってもらうより自分の都合で「乳がはってしんどいな」と思うときに搾乳ロボットに向かうほうがずっと快適です。

と殺がこの先なくならないのであれば、(おそらく、なくならない)、
と殺場もオートメーション化して人の手が一切入らないようにすればいいと思います。
そうすれば顔を蹴られたり、スタンガンを何度も押し当てられたり、後ろから蹴り上げられ追い立てられることはなくなります。
自分に害をもたらす人々の動きに怯えることはなくなります。

今よりも、マシな最後の日を迎えることができます。

日本のと殺
http://www.hopeforanimals.org/animals/slaughter/



kita

と殺場で出会ったさくら

  • Day:2016.01.14 07:31
  • Cat:畜産
さくらは私たちがと殺場で出会った豚です。
2016年の冬、さくらは肛門から腸が飛び出させ、血だらけで、トラックの荷台に乗せ­られてやってきました。

さくらはこれまで、一生のほとんどの時間を、狭い妊娠ストールの中で過ごしてきました­。
方向転換もできず、ほかの豚と触れ合うこともできず、ただ子供を産むために生かされて­きました。
彼女がようやくこの狭い妊娠ストールから出ることができた日が、直腸脱のためにと殺さ­れる日でした。

寒い雪の降る日、治療のためではなく「処分」されるために、さくらはトラックに乗せら­れました。
激しく揺れるトラックの中で、飛び出した直腸が荷台のあちこちにぶつかり、血だらけに­なりながら激しい痛みにさくらは耐えました。ようやくトラックが止まり、と殺場に到着­し、自分の血の臭いとは違う仲間の血の臭いをかいだ時、彼女は自分が殺されることに気­が付きました。

ほかの豚たちの臓物や皮を運ぶフォークリフトが行き交う場内で、彼女は自分の番を待ち­ました。そして作業員に蹴られながらトラックから降ろされ、建物の奥へ押しやられ、私­たちの視界からさくらは消えました。

最後の最後まで、彼女が命あるものとして扱われることはありませんでした。

私たちは、さくらのような一生を、もう誰にも味わわせたくありません。
苦痛と悲しみと暴力に、ただじっと耐えるだけの姿をもう見たくありません。

アニマルライツセンターはさくら達の苦しみを衆目に明らかにします。
そしてこの苦しみをなくすために行動を起こします。

アニマルライツセンター
http://www.arcj.org/








直腸脱は、母ブタには珍しくない病気といわれています。
ThePigSite Pig Health
This is not uncommon in sows and occasionally outbreaks occur in herds. Whilst the exact mechanisms are not fully understood the following should be considered as contributory to the problem.

http://www.thepigsite.com/pighealth/article/256/prolapse-of-the-rectum/

狭い妊娠ストールでの飼育は、直腸脱の原因となります。
Rectal Prolapse in Pregnant Sows due to Stall Housing
Published on: 7/26/2013
Author/s : Vassilios Papatsiros, Labrini Athanasiou, Athanasia Tzivara, Giorgos Christodoulopoulos, Giorgos Maragkakis (University of Thessaly), Eleni Tzika and Panagiotis Tassis (Aristotle University of Thessaloniki)
The present case report regards an incidence of rectal prolapse in 7 pregnant sows of a farrow-to-finish pig farm of 200 sows. None of these sows suffered from respiratory or digestive diseases, showing severe coughing or diarrhoea. Moreover, laboratory examinations during the last semester did not reveal Leptospira spp. or mycotoxins at detectable levels.
In the present case, we concluded that the main reason of rectal prolapse was that the sow stalls of this farm had the back retaining gate consisting of parallel bars, predisposing the incidence of rectal prolapse. Probably, the sows rested with the tail over the back gait, resulting in the pressure to be placed on the anus. This caused a partial relaxation of the sphincter, poor circulation and swelling. In the contrary, none of the sows of this farm, which were fixed in group housing, performed rectal prolapse. Finally, no surgical method or treatment was applied in sows with rectal prolapse, as farmer decided to send them in slaughterhouse.

https://en.engormix.com/MA-pig-industry/management/articles/rectal-prolapse-pregnant-sows-t2706/124-p0.htm

■妊娠ストール廃止キャンペーン
http://www.arcj.org/savemotherpig/

冬のと殺場-吹きさらしの係留所、冷水をかけられる豚たち

  • Day:2016.01.14 03:28
  • Cat:畜産
「豚は寒さを感じない」というのは嘘です。

雪の降る中、吹きさらしの係留所で、ブタたちは次の日のと殺まで、寒さに耐えなければなりません。
さらに「体の汚れを落とすため」に係留所でかけられるシャワーは冬でも冷水が使われ、豚の体をひどく冷やします。


『ブタは皮毛が発達していないため、暑熱にも寒冷にも弱く、鼻以外の部位では汗腺も発達していないため暑熱にさらに弱い。(中略)寒冷時には群がり、震え、発熱で対応する』
-「畜産技術」2009年1月号


『10℃以下の冷たい気候で、歩行困難や倒れる豚の率が高まる』

- テキサス工科大学
Pig Transport During Cold Weather
During cool and cold weather, the main outcome is an increase in the rate of down pigs (also called fatigued, non-ambulatory-non-injured, NANI, stressed, subjects or suspects). The rate of NANI pigs can more than double in cool or cold weather. NANI pigs do not have the energy reserves to walk and sometimes even stand. In cold weather, this is observed more often.
Figure. Increase in NANI/down pig with cooler air temperatures. Taken from Sutherland et al., (2009).10 C represents about 50 F. Note the steady rise in NANI % below 10 C.
How do I know when pigs are too cold?
Pigs will be too cold when the air temperature is below 50 F (10 C). If bedding is used, you can take 10 F off that critical temperature. If pigs can huddle, another 10 F can come off the effective environmental temperature (the temperature that the pig “feels” or senses). Thus, at an air temperature of 30 F and with bedding and other pigs, the pigs will not be particularly cold. Cold pigs have a cool surface temperature to the touch and they will seek to huddle. If they can’t huddle with other pigs, they will shiver. When you see pigs shivering, they are especially cold.

http://www.depts.ttu.edu/animalwelfare/Research/Transport/index.php#10

『周囲の温度が低すぎる場合、シャワーはブタをひどく冷やします。
気温が5℃以下ならば、ブタにシャワーを継続して浴びせないこと』

- ブリストル大学
Ambient temperature below which pigs should not be continuously showered in lairage.
Showering pigs with cold water during preslaughter lairage is thought to be useful in reducing the body temperature of hot, easily stressed animals. However, showering when the ambient temperature is too low could chill them too severely. To assess the effects of showering and to determine a temperature below which pigs should not be showered, pigs from one source, passing through a commercial slaughterhouse lairage, were split into two groups of approximately 50 each, showered and unshowered, on 10 days with a range of ambient temperatures. The pigs' behaviour and any damage to their skin were recorded, various measures of body temperature were taken before and after showering, and blood taken at slaughter was analysed for plasma creatine kinase, cortisol and lactate. Showering prevented the usual reduction in activity observed in pigs in lairage at high ambient temperatures. On the basis of the reduction in their flank temperature during showering, it is recommended that pigs should not be showered continuously if the temperature inside or outside the lairage falls below 5 degrees C, and showering should cease if they are seen to be shivering.

www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9854768


2016年 日本のと殺場の豚たち


veg