イルカと水銀と水族館

水銀
水銀は毒性が強いことが昔から知られています。
中でもメチル水銀は、水俣病という深刻な被害を引き起こしています。水銀は岩石など自然界にも存在しますが、近年は人間活動によるもの(石炭火力発電、工場利用など)が2/3を占めるといわれています。
日本人が摂取するメチル水銀の8割はからとられています。
中でもイルカ肉は、水産品のなかでもダントツにメチル水銀含有量が高いです。
バンドウイルカを1回食べると(80g食べたとして)5週間分のメチル水銀を摂取したことに相当します。イルカを一食分食べると、1ヶ月以上ほかの魚は食べられないというレベルです。ほかの魚にも多かれ少なかれメチル水銀が含まれているからです。

メチル水銀は特に胎児の中枢神経の発達に影響を及ぼすとされています。
イルカ猟がさかんな和歌山県太地町で15歳~49才の女性に対し、水銀量を調べるため毛髪検査をおこなったところ、73.5%の人が耐容摂取量を超えていたそうです。(2010年 国立水俣病総合研究センター調査)
全国で耐容基準を超えていたのは、14.7%ということですから、いかにイルカ肉にメチル水銀が多いかという事がわかります。

海に放出された水銀は、海水→プランクトン→小魚など→中型の魚→大型の魚類、鯨類の順番で水銀は濃縮されます。そのため、食物連鎖の頂点にいるイルカやクジラ、マグロがメチル水銀の含有量が高いのです。

このように汚染されたイルは、食用禁止にすべきです。
厚生労働省も、もともとは「摂食回避」の考えだったそうです。
(以下『なぜ今「魚の汚染」か』より抜粋)
もともと厚生労働省は「摂食回避」の考えでした。2003年、「摂食注意勧告」を作成する際の審議会で「バンドウイルカについては6ppmと非常に高いので、これについては摂食を避けることが望ましいという形にさせていただきました」と原案を示しています。
これに対しは水産庁は「バンドウイルカについて言及させていただきますと、水産庁が許可を与えて捕獲枠を設定しておりますが、これがいずれの方も摂食を避けることが望ましいとなりますと、われわれは業界に対してこれから捕獲をゼロとするための苦渋の交渉をしなければならないということになります」(当日の議事録から抜粋)との意見を述べ「2ヶ月に一回」になった経緯があります。
(抜粋終わり)

安全より、業界の意向が優先されたわけです。


水族館
イルカは食べるためだけではなく、水族館へ売買するためにも捕獲されています。
水族館で飼育されているイルカの大多数は、追い込み猟で生け捕りにされたイルカです。
現在日本で追い込み猟を行っているのは、和歌山県太地町だけです。
太地町は、野生のイルカを捕獲して、国内外の水族館に売買する、国際的なイルカの供給地になっています。

イルカ追い込み猟の方法
数隻の船団で出航しイルカの群れに接近すると、漁師たちは金属性の棒を海中で鳴らし、イルカの音波探知機能を利用してパニック状態にさせ、イルカを湾内に追い込みます。
イルカが湾内に入ると逃げられないように魚網を素早く閉じます。
捕獲・と殺作業は湾内でイルカが落ち着くのを待って、翌日以降に行われます。

2015.4月
世界動物園水族館協会(WAZA)は4月22日、日本動物園水族館協会(JAZA)を会員資格停止にしたと発表した。国際的に非難が高まっている「追い込み猟」によって捕獲したイルカを日本の水族館が購入し続けていることについて、是正措置を取らなかったため。
http://www.alterna.co.jp/15003

和歌山県太地町では2010年度には1276頭のイルカを捕獲しています(食用に殺したのが1063頭。水族館に販売など生体のまま捕獲されたのが213頭)
http://kokushi.job.affrc.go.jp/H23/H23_45.pdf


イルカの水族館への輸送
陸にあげらられたイルカは、はじめて重力を感じます。
水の浮力がなくなり、自分の全体重がのしかかってきます。イルカにとってこの負担はとても大きいものです。また陸地に上がるとすぐに体温が上がってしまうため水をかけ続けなければなりません。イルカは陽に当たって皮膚の表面が乾くとやけどした状態になってしまいます。
そして何十時間も、同じ格好で、コンテナに収められ、娯楽施設へ輸送されていきます。
20130313_327451.jpg
2013年3月に娯楽施設に輸送されるイルカ

イルカの死亡率
「日本動物園水族館協会「種保存委員会報告書」というのですが、それによりますと、日本全国でのハンドウイルカの飼育数は2009年末の時点で273頭いました。それに対して2009年中の年間死亡数は29頭です。飼育下個体群の1割以上が1年で死亡するのは、大型動物ではかなり多いです。」
http://wol.nikkeibp.co.jp/article/column/20100810/108165/

1980年ごろの話ですが、鳥羽山元鴨川シーワールド館長はイルカの「歩留まり」は60~70%%ほどだと、言っていたそうです。つまり、10頭のイルカがほしいと言われたら14、15頭のイルカを飼育します。30%で4頭が死んでも大丈夫なように。





イルカと水銀の関係についてはこちらに詳しく書かれています。
http://www.all-creatures.org/ha/dolphinMeat/ThinkAgain.html
水族館とイルカについてはこちらに最新の情報(2013年)が発表されています。
http://www.all-creatures.org/ha/saveDolphins/NoAquarium/report_r3.pdf







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