動物園のゾウ

YOUTUBEで、「ゾウのダンス」と題された動画がアップされていました。
その動画では、動物園のアジアゾウが、ゆらゆら足をふみ変えふみ変え左右にゆれている様子が映されていました。
わたしも以前ならダンスだと思っていたでしょう。でもこれはダンスではなく、同じ行動を繰り返す異常行動です。孤独、退屈、欲求不満、寂しさのあらわれです。
ゾウ、特にメスのゾウは群れで行動する生き物です。一日に150kgもの餌を食べ、一日の大半を大地を踏みしめ、餌を探して食べることに費やし、自然界では800k㎡も移動する生き物です。アジアゾウは知能が高く、人間やイルカに似た発達した大脳の構造を持っています。

2013年7月、この動物園を訪れました。

水場はありますが、ごく浅いものです。このゾウはメスで、30年以上この動物園にいるそうです。以前はもう一頭いたそうですが、10年前に死に、10年前からはこのゾウ1頭だけだそうです。
わたしがこのゾウを見ていたのは2時間ほどです。はじめに草が入れられており、その草を鼻でつまんだり口へ持っていったりして遊んでいましたが、飼育係の人が来られて、草をきれいに掃除されたあとで、同じことを繰り返す常同行動がはじまりました。ゾウには一人ぼっちで何もすることがないのです。
一頭しかいなくても、ゾウのそばにいてあげるゾウ使いの人がいればよいのかもしれません。
ALIVEの会報には、ドイツの動物園の飼育係の人がこのように言ったと書かれていました。
「メスゾウは家族で生活するが、飼育係とも良い関係を作ることが重要で、強制的ではなくゾウの行動を理解したうえで調教することはとても良いエンリッチメントになる」また、東山動物園ではゾウ使いの方がいなくなってから、常同行動やうつ病のような行動が出てくるようになったそうです。
この動画のゾウは1978年産まれ、今35歳です。アジアゾウの寿命は70年ほどと言われています。この先ずっとこのような状況で生きなければならないのでしょうか。あるいは70年ほども生きないかもしれません。イギリスとカナダの科学者による6年間の研究では、野生のゾウは、動物園のゾウの2倍長生きだという報告もあります。
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=84602911
いまさら野生へ返してもゾウは不幸になるでしょう。それならば、できるだけゾウが楽しく、幸せに暮らしていける環境を整えてあげなければなりません。(あらたなゾウを野生からつれて入れるのはダメです。かわいそうなゾウが増えるだけです。ゾウは自然の中でこそ生き生きといられます)
ゾウが割って遊べるような竹を与えてあげる、東山動物園では、ゾウが押すとミスト状のシャワーがでるように設計されている、ゾウが餌を自分で探し出せるような工夫など、そういったエンリッチメント(幸せな暮らしができるような環境作り)に取り組んでほしい、などのお願いを書き、帰るときに動物園の受付の方に渡しました。園長さんに渡してくれるとのことでした。
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zou (1)


アジアゾウについて
http://animals.main.jp/mammals/asian_elephant.html
ゾウの常同行動について
http://www.upali.ch/pdf/Stereotypic%20Behaviour,%20weaving%20and%20Behavioural%20Disorders%20in%20Elephants.pdf


メモ kurisum
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