宇宙で動物実験

日本学術会議のマスタープラン2011(3年ごとに改訂)には、宇宙ステーション「きぼう」に、哺乳動物実験施設を作ろうという計画が盛り込まれている。
この計画は日本宇宙生物化学界が企て、日本学術会議により採択された。

日本学術会議は、2012年の動物愛護管理法改正において、実験動物のための規制強化は「科学者を萎縮させることにもなりかねず」「研究開発に必要不可欠な実験動物の入手が困難になるなど、動物実験に多大な影響がもたらされることも明らかである」と、動物のための法律であるにもかかわらず、自分本位の立場を崩さなかった集団。(彼らの思い通り、動物実験については一切の法改正が行われなかった)


現在宇宙ステーション(きぼう)では、めだかを使った実験が行われている。


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骨を赤、軟骨を青に染められたメダカ標本
宇宙における「骨代謝」を研究しているそうだ。何もない、無味乾燥な水槽の中で飼育され、暇つぶしに色づけされ標本にされるメダカの気持ちが想像できるだろうか。
「骨粗しょう症の新たな治療法の発見へとつながることが期待されます」
とされているが、骨粗しょう症のための動物実験は、すでに犬やラットやマウスをつかい散々に行われている。この上宇宙まで行ってメダカを、興味本位としか思えないような実験に使うことはやめていただきたい。

さらに、今後は「宇宙環境での生物メカニズムの研究」「宇宙放射線や重力の、生物への影響」などをさらに推し進めるため、哺乳動物も宇宙ステーションで実験に使おうという計画があるのだ。

そして、宇宙にかかわる動物実験は、宇宙ステーションだけではなく、現在、地上でも行われている。
以下、この残酷さが伝わるだろうか。

3 ヶ月間の後肢懸垂および 2-G(重力) 負荷
大阪大学で 8 週齢のオス C57Bl/10 マウスを、任意に後肢懸垂、2-G 負荷、および 1-G コントロール群に分け、3 ヶ月間飼育した。1-G コントロールマウスは、25x 17 cm (高さ 12 cm) のケージに一匹ずつ飼育した。
後肢懸垂群にも同じサイズのケージを使い、テープでひもと尾を(血流をブロックしない程度に緩く)固定した後、両後肢が床およびケージ側面と接触しないように懸垂した。2-G 負荷は、動物用遠心機を使って実施した。4 本のアームに取り付けたゴンドラに、それぞれ 3-4 匹のマウスを搭載した。遠心機は連続運転したが、えさや水の交換、ゴンドラの掃除等のために、毎日約 30 分は運転を止めた。
2010 年 9 月 17-20 日の解剖には、イタリアおよびアメリカ (NASA) からの研究者に加えて、宇宙実験には直接関与していなかった日本人も多数参加して、tissue sharing を行った。各群最低 5 匹のマウスからサンプリングを行った。ほとんどのサンプルはそれぞれの研究者に輸送されたが、後肢筋は以前と同じような方法で sharing するために、すべてイタリアに輸送し、現在横断切片の作成およびcDNA の抽出等が進行中である。

以上こちらから http://surc.isas.ac.jp/SpaceUtilizRes/SUR27/27sur-pdf-web/L10-Ohira.pdf

tissue sharingとはなんだろうか=「組織の共有」。「横断切片の作成」 非人道的な言葉が並ぶ。

後肢懸垂とは下図のようなことだ。「テープでひもと尾を固定した後、両後肢が床および側面と接触しないように懸垂」これを3ヶ月つづけたのだろうか?懸垂しっぱなし?そして重力を与えるための遠心機は「連続運転」、えさなどのために「毎日約30分運転を止めた」とあるが、23時間30分毎日3ヶ月連続運転したのだろうか、そのあと組織をシェアリング?
こんな実験が動物実験委員会の審査を通ったのだろうか?
この動物実験について、大阪大学の担当者に問い合わせたところ、このような返答であった→ http://maypat01.blog.fc2.com/blog-entry-41.html
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(断っておくと、この上の写真は宇宙に関わる実験のために懸垂されているマウスではなく、理研に、抑うつを調べるために懸垂させられているマウスである。
5-10分間ぶら下げてやると、最初のうち、マウスは必死にもがきますが、そのうちあきらめて、ただぶら下がっている状態(無動状態)が表れてきます。この状態は絶望状態の一種であろうと考えられており」と記されている。人間の精神疾患の治療法が、マウスを懸垂する研究で見つかると考えるような稚拙な頭では、吊り下げられたマウスの痛みを思いやることはさぞかし困難だろう。)


宇宙開発の中核を担うJAXA(宇宙航空研究開発機構)には動物実験委員会が設置されている。
定期的に動物実験計画について審議、承認が行なわれているが、そもそも審議されるべき事柄か?問答無用に却下ではなかろうか?
過去(2003年以前)JAXAの動物実験に関する指針は「カテゴリー4、5の実験については、動物の苦しみを最小限とするか解消するために、実験方法および代替法の検討を行うこと」とされていた。
カテゴリー5の実験とは「麻酔していない意識のある動物を用いて,動物が耐えることのできる最大の痛み,あるいはそれ以上の痛みを与えるような処置」のことである。カテゴリー5の実験には麻酔をしていない動物に重度の火傷を引き起こしたり、重度のストレスを与えて殺すことが含まれる。
SCAWによるこの「痛みの分類」で行ってはならないとされているカテゴリー5の実験も、以前は禁止されていなかったわけだ。しかし今は違う。
「当機構の現在の指針では、カテゴリー5の実験は認めておりません。また、カテゴリー4に該当する実験が提案された場合については、実験方法の見直しや代替方法の検討を行うこととし、動物への苦しみなくすあるいはごく最小限に留めるための措置を取れるよう最大限善処しております。」(JAXA広報部)

カテゴリー4ならいいのだろうか?カテゴリー4の実験「脊椎動物を用いた実験で、避けることのできない重度のストレスや痛みを伴う実験。」
カテゴリー4の実験には、苦痛を伴う解剖学的あるいは生理学的欠損あるいは障害を起こすこと、動物が逃れることのできない苦痛を与えること、動物が耐えることのできる最大の痛みに近い痛みを与えること、が含まれる。
カテゴリー3なら?カテゴリー3には「カテーテルを長期間留置すること」や「逃れることのできる苦痛を与えること」が含まれる。

すでに、医薬品のため、化粧品のため、洗剤、子供のおもちゃ、タッパー、排気ガス、建築資材など、あらゆる分野で動物実験は行なわれている。
惑星探査けっこう、ロケットけっこう、さらなる宇宙への好奇心を満たしたいのならやっていただいたらよい(ただし、私の税金を使うことには同意しない。私にはそのような好奇心はない)が、その過程で動物実験をすることはやめていただきたい。
宇宙を切り開くことが人類の進歩なら、他種の痛みを思いやらない低劣で時代遅れな動物実験は、宇宙開発とは相容れないだろう。



下の写真は、パラボリックフライト実験に使われたラット(東京医科歯科大学、長崎大、(財)日本宇宙フォーラムらによる)
パラボリックフライト実験とは、航空機を使った重力実験のことで、航空機を自由落下させることで低重力状態をつくる実験。
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「宇宙では、記憶・学習・情動などの高次脳機能にどのような影響をあたえるのだろうか、またストレス応答とどのような関係があるのだろうか、まったく知られていない」がゆえに行なわれた実験だということだが、ラットの脳機能を研究してどうするのか?人と異なる生物の脳機能の研究結果を人間へ応用しようと無謀なことを考えているのだろうか?もしかしたら彼らは人間とラットは同じものだと思っているのだろうか?たしかにそのとおりかもしれない。
睡眠を妨害して寝させない、仰向けにして手足を縛り恐怖感を与える、動けないように金網で縛り首まで水中に沈める、などのラットにストレスを与える実験では、人間と同じようにラットは胃炎を発生させている。また、去年の米シカゴ大の研究では「まず、わなの扉を外から頭で押して開けられるようにラットを訓練。そして1匹のラットをわなに閉じこめると、訓練を受けたラットは扉を開けて仲間を救出した。わなの外にチョコレートがあるときも、自分が独り占めできなくなるのを承知でラットは扉を開けてやった」という報告がされている。こういったことがラットが人間と同じような脳機能を持っているという根拠になるのかもしれない。(ただし人間でこのラットと同じような高邁な行動をするものがどれほどいるかは不明)
しかし、人間と似たようなものだから動物実験を行なっているというならば、動物実験者たちの愚劣さは明らかだ。われわれと同じように痛みを感じ、ストレスを感じ、思いやりのあることが分かっている生き物を、思い通りにすることができるという理由だけで実験に使っているのだから。

そのほかの分野で行なわれる動物実験
→ http://maypat01.blog.fc2.com/blog-entry-10.html


国が、「宇宙基本計画」に関して、意見募集中。
(締め切り 2012.12.25 )※終了しました
http://www8.cao.go.jp/space/plan/public_comment.html


以下意見しました。

第2章 2-2基本的な方針基本的な方針の中に、宇宙利用の一環として、動物実験をしないことを明記してほしいです。重力負荷の実験のためにマウスが3ヶ月間吊り下げられたり、3ヶ月間遠心機で回したりされています(第27回宇宙利用シンポジウム発表論文)。また、財団法人日本宇宙フォーラムの公募地上研究の助成で、小さなラットの頭部に電極を埋め込みさまざまな機械を取り付け、パラボリック航空機実験が行われています。宇宙での高次脳機能や、ストレス応答との関係を調べる実験だということですが、このような残酷な実験は、人類の英知を高める宇宙科学の発展にそぐわないものであると思います。また今後、政府だけではなく民間をも取り込んだ宇宙政策を推し進めることで、動物実験はより拡大すると思われます。企業内でおこなわれている動物実験は外部から知ることができません。基本的な方針の中に、「宇宙利用の拡大の一環として、動物実験はしない」ということを明記し、民間企業による動物実験も厳しく規制してほしいです。

第3章 3-2 F.有人宇宙活動プログラム現在宇宙ステーションきぼうで、骨粗しょう症の治療法の発見などのために、メダカを使った実験がおこなわれていますが、やめていただきたいです。何もない、無味乾燥な水槽の中で飼育され、骨を赤色や青色に染められてメダカが標本にされていますが、骨粗しょう症のための動物実験は、すでに犬やラットやマウスをつかい、地上で散々に行われています。この上宇宙まで行ってメダカを、興味本位としか思えないような実験に使うことは、命あるものに対して思いやりのない行為だと思います。

第3章 3-2 F.有人宇宙活動プログラム宇宙ステーションきぼうに新規の動物実験・飼育設備を作らないでほしいです。日本学術会議のマスタープラン2011には5種の新規研究設備(動物実験・飼育設備を含む)を「きぼう」実験棟に増設することが記されていますが、すでに地上でさまざまに動物が実験に使われて利用されています。さらにこの上、動物の犠牲を増やすことはやめてほしいです。また、動物実験・飼育施設のみではなく、すべての新規研究設備は不要だと思います。ほかに資金を必要とする優先されるべき事項は日本に山積みであるからです。

第3章 3-1 D.宇宙輸送システムロケットでの動物打ち上げはしないことを宇宙基本計画に盛り込んでいただきたいです。宇宙をはじめて飛行した動物のライカ(犬)は、打ち上げから数時間で、熱とストレスで死亡したといわれています。ライカの脈拍は発射直後に通常の3倍にもあがり、元に戻るのに、地上で平常の脈拍へ戻す時間の3倍の時間を費やしたことが地上基地へ送信されたデータで確認されています。抵抗できない生き物にこのような多大な恐怖と苦痛を与えてまで得なければならない結果はないと思います。MBC南日本取材によると、H2Aロケットに実験用マウスを載せる計画あるようですが、そのような計画を実行しないでいただきたいです。大阪大学の大平教授らにより無重力の状態でマウスの筋肉や骨がどうなるのか詳細なデータを取り、骨粗しょう症などの薬の開発に役立てる、とのことですが、骨粗しょう症の治療のための動物実験は地上で、すでにたくさんおこなわれています。この上、動物を苦しめたり傷つけたりすることが必要でしょうか?また民間企業によるロケット打ち上げに関しても、動物の打ち上げをさせぬよう、国による監視体制をしいてほしいです。

以上。

動物実験




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