2013年撮影 肉牛飼育場(日本)

  • Day:2013.11.14 11:30
  • Cat:
この動画と写真は、日本の肉牛飼育場のものです。
肉にするために飼育されている牛たちです。



肉牛
牛の寿命は20年ほどと言われていますが、肉用に飼育される牛は2年から2年半ほどで出荷、と殺されます。
霜降り肉がもてはやされる日本では、肉牛の多くは牛舎内で一生のほとんどの時間を過ごしており、特に肥育後期にはより太るよう濃厚飼料が多給され、生後1年以上の肥育牛の約90%(*)は、放牧場や運動場に放されることなく、出荷されるまでの期間を牛舎内で過ごします。(*2009年畜産技術協会調査)

牛舎内の飼育では、牛は与えられた餌を食べます。しかし、牛が好きなのは、自分で草を刈り取り食べることです。
自分で餌を舌で刈り取って食べなければならない(放牧)のと、餌を用意してくれてそれを食べるだけでよいの(放飼)と、好きなほうを牛に選択させたところ、手間はかかるけれど自分の舌でかりとって食べるほうを牛は選択したそうです。
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(2012年7月 東北大学 佐藤教授の講演資料より)
https://kaken.nii.ac.jp/d/p/20248028/2010/3/ja.ja.html

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鎖の長さは60センチ足らずでしょうか。目の前の餌桶の餌を食べ、座るしかできません。かゆいところがあっても掻くことができず、、後ろを振り返りたくとも振り返ることが出来ません。


去勢
肉牛のオスは、性質をおとなしくさせ牛同士の闘争を防ぐため、やわらかい肉質にさせるためなどの理由で、生後3、4ヶ月で去勢されます。
去勢の方法(以下、元畜産農家に教えてもらいました)
去勢のしかたは2種類あってバルサックという長さ50㎝くらいの大きなペンチのような道具で精管の筋を挟んで遮断する方法(施術料1頭につき3,000円)と、麻酔(牛の場合は筋弛緩剤)で寝かせ、睾丸(こうがん)を摘出する手術(施術料1頭につき4,000円)とあります。麻酔で寝かせる方法は痛がりませんが、皮膚を切って睾丸を摘出する為出血し、時間も30分くらいかかります。
バルサックで挟むやり方は麻酔なしでする為痛がりますが、切らずにすむ為出血もなく3~4分で済みます。

「麻酔で寝かせる方法は痛がりませんが」についてですが、筋弛緩剤は筋肉は動かなくなりますが意識ははっきりしており、痛みを感じます。、動物の殺処分の方法として、筋弛緩剤のみを使用することは、動物に強い苦痛を与えるとされることから、勧められていません。筋弛緩剤と麻酔の併用で、去勢をするのでなければ牛は苦しむと思います。犬の去勢は筋弛緩剤と麻酔が併用されます。ほんとうに筋弛緩剤のみなのか、確認中。

追記(以下、獣医師に教えてもらいました)
現在牛の去勢にバルザックは用いることはほとんどないと思います。
牛にストレスがかかり、一時的に成長が止まるし作業が大変です。
睾丸は、2か月ほどしなければ腹腔から降りてきません。従って、それ以降の去勢になります。
皮膚を切開して、精索と血管を何度か捻りながら、引いてちぎります。
出血もほとんどなく手際よく出来ますし、ほとんどが肉牛農家が行っています。従って、麻酔は全くやることがありません。大きな農家では、一日に50頭くらいやっています。
ただし、いろんな理由で半年以上になれば麻酔をします。麻酔は筋弛緩薬です。筋弛緩薬はキシラジンです。キシラジンには、種によって感受性が異なります。10キロ程度の犬とほぼ同量を、700キロの牛に投与します。牛はほとんど意識がなくなり流涎をします。
疼痛は全く感じなくはありませんが、相当意識は弱くなります。私たちも作業が容易になります。

キシラジンは鎮静効果は高いといわれています。しかし鎮痛効果についてはどうなのか、確認中。

追記(キシラジンの含まれた注射液を販売するバイエルに確認)
キシラジンとして0.2㎎/kg(製剤として1mL/100kg)以上を牛へ投与すると、無痛覚状態となるというデータがある。

スイスでは、牛が何歳であっても痛みを抑える処置をしなければならないと決められています。

除角(ジョカク)・断角
角が切断されます。角を切断すると血が噴き出ることもあります。
角の切断は肉牛の約50%に実施されており、そのうち80%以上(*)は麻酔なしで行われています。またそのうち、88.4%は生後3か月齢以上での角の切断が行われています。(*2009年畜産技術協会調査)
除角・断角の方法(以下、元畜産農家に教えてもらいました)
除角は必ずしないといけないわけではありませんが、除角をしないと強い牛が弱い牛をいじめたり、出産後、子牛を守ろうと本能が働き、飼い主をおそい、人が死亡したり、大ケガをする事も多々あります。日本国内でみれば毎年死者が出ているのではないかと推測します。
除角をすると、牛の性格はおとなしくなる傾向にあります。
牛の角は鹿と異なり神経も血液もかよっていて角を切るさいはかなり痛がります。
除角したあと1~2ヶ月くらい出血や膿(うみ)みたいなじゅくじゅくした汁が出て、その部分にハエ等の害虫が群がる為、害虫が出ない1月か2月の寒い時期に行います。農家によっては暑い時期でも関係なく行う所もあると噂も聞いた事があります。
また子牛の場合は、角がはえ始めた生後1ヶ月くらいの時に直径2㎝程の細い鉄パイプを熱して、出てきた角のまわりを焼く事により、角への栄養がいかなくなるのか、その後全く角がはえてこなくなります。子牛の段階で除角をする方が、親になって大きくなった角を切るよりはるかに牛への負担も少ないのではないかと思いますが、子牛の段階で除角しても、その後 自家保留(母牛として飼う事)せず、子牛市場へ出す事になった場合、セリ値(牛の値段)が安くなるという心配もあります。
※「アニマルウェルフェアの考え方に対応した肉用牛の飼養管理指針」では除角について
『除角によるストレスが少ないと言われている焼きごてでの実施が可能な生後2ヶ月以内に実施することが推奨される。また、子牛市場からの導入後に除角を行う場合は、可能な限り苦痛を生じさせない方法により行うこととする。』とあります。

除角・断角について
http://maypat01.blog.fc2.com/blog-entry-174.html

追記(以下、獣医師に教えてもらいました)
徐角は、出来れば1か月以内に円形の電熱コテでやることを農家に薦めています。
短時間にできて子牛にも苦痛が少ないと思います。きれいにできます。
最近は、強アルカリの薬剤などを塗る方法があります。苦痛は少ないのですが、失敗することも少なくありません。
大きくなると、断角といいますが、麻酔も固定も術後の処置もしなければなりません。
いずれの場合も麻酔はほとんどすることがありません。農家がやるからです。
肉牛、といっても和牛ですが品評会などに出すことがあります。和牛は角がないと絵になりません。
角の形がいいとカッコ良く見えます。なければ話になりません。
品評会に出す場合は、2か月ほど前からひもやゴムで引っ張って形を整えるのです。前後ろ向いたり開いている角も、2か月あれば直すこともできます。
繁殖に用いたりする場合は、角がないと、買う人がいないないと思います。


鼻グリ(ハナグリ→鼻についている輪っか)・耳標(個体識別番号とバーコードが書いている耳に付ける黄色いフダ)
(以下、元畜産農家より)
鼻グリも生後3ヶ月くらいで専用の道具でつけますが、やはり痛がります。黒毛和牛は乳牛より気性が荒い為、鼻グリを付けて、鼻グリを持たないと、人は牛に力ではかなわないので、牛が暴れ、大変な事になります。
耳標は2003年の牛のトレサビリティ法(追跡調査ができるようにする為)の法律ができた為に必ず両耳につけなければなりません。生後2ヶ月くらいで子牛検査(登録)のさい、農協の方が来てつけますが、もちろんこの時も痛がります。


霜降り肉と失明する牛
筋肉繊維の中へ脂肪を交雑させるために、脂肪細胞の増殖を抑える働きのあるビタミンAの給与制限が行われます。ビタミンA欠乏が慢性的に続くと、光の情報を視神経に伝えるロドプシンという物質が機能しなくなり、重度になると、瞳孔が開いていき、失明に至ってしまいます。

信濃毎日新聞 2011 年6 月11 日(土)
ALIVEの野上さんの資料より抜粋)
その牛は、額の先で手を振っても反応がなかった。
黒目は焦点が定まっていない。ほかの牛と体をぶつけることも多い。
「盲目の牛です」。ステーキなどの高級食材になる和牛を飼う県中部の50 代の男性農家が打ち明けた。
「おいしい肉にしようとすれば、こうした牛が出てしまう」と男性。飼育中の約130 頭のうち、1 頭が完全に目が見えず、10 頭弱は視力低下が進んでいる。こうした牛も人体への影響はまったくないとされ、普通に出荷される。
盲目になるのは、肉に「サシ」と呼ばれる白い脂肪分を入れようとして、牛の栄養が偏ってしまうことが原因だ。
和牛の価格は、サシの入り具合で決まる。多くの農家の目標は、高値で取引される細かなサシが入った「霜降り」の牛を育てることだ。そのため、農家は生後約1年半から数カ月間、ビタミンを多く含む牧草(*)などの餌を抑え、穀物が中心の飼料で太らせる。これがサシを入れるために欠かせない技術とされる。「霜降り」という日本の食文化を支える生産者の知恵だ。
しかし、ビタミンは、視力維持に必要な成分。欠乏がひどくなると盲目になりやすい。足の関節が腫れて歩行に障害が出る場合もある。農家は症状が出ないぎりぎりのラインを模索しながら給餌する。しかし、一部がこうした牛になる危険性は残る。
微妙なバランスの上に和牛生産は成り立っている―。そう表現する農家は多い。
和牛を百数十頭飼育する県北部の40 代の男性農家は「消費者が生産現場の現状を知れば、肉を買ってくれるか分からない」と不安を打ち明ける。この30 年間、和牛を出荷する時、牛の背中に"お神酒"を掛けて送り出してきた。自分が生計を立てられることへの「感謝」。そして、高く売るために不健康な姿にさせる「申し訳なさ」。そうした複雑な感情を、牛を出荷するたびに確かめる。この男性は、食肉処理など多くの中間業者が流通に加わる畜産は「農業の中でも生産者と消費者の距離が遠いと感じてきた」という。
それは、同じ畜産業の酪農でも同じだ。上伊那郡南箕輪村の酪農家、小坂忠弘さん(55)は、畜舎見学に来た小学生が、乳牛から乳を搾る現場を見て以来、牛乳を飲めなくなった、という話を数年前に酪農仲間から聞いて、頭から離れなくなった。思い当たることがあった。国内では、広い牧草地を確保しづらく、多くの時間は乳牛を畜舎内で飼育するのが一般的だ。しかし、小坂さんは「多くの人が広い牧草地だけで乳牛を飼っていると思っているかもしれない」。畜舎も小学生の予想以上に汚れていたのかも・・・。さまざまな考えが頭を巡った。小坂さんは、畜舎の清掃を小まめにして、「恥ずかしくない飼い方」を心掛けている。
消費者が思い描く畜産のイメージと現実のギャップ。そこに農家はおびえている。
信大農学部の准教授竹田謙一さん(家畜管理学)が2年前に一般消費者300 人余を対象に行ったアンケートでは、「飼い方に配慮された畜産物は値段が高くても買いたい」と答えた人が9 割近くを占めた。竹田さんは「消費者のニーズは農産物そのものにあるだけでなく、その出来上がる過程にもある。消費者のイメージに畜産現場を近づける必要がある」と話す。
畜舎の環境などは生産者が少しずつ改善することは可能だ。しかし、和牛を飼育する農家の多くは「牛が盲目になってしまうのは、『消費者が求める最高級の霜降り』を目指すためには仕方がないこと」とも言う。消費者が望むのは、味なのか、価格なのか、生産過程なのか―。すべてを満たすことができない場合は、何を優先すればいいのか。生産者には、消費者の姿が、はっきり見えていない。

(*4つ胃のある反芻動物である牛の食べ物は「草」です。本来牧草(グラスフェッド)を与えられなければならない牛に、よく太るように濃厚飼料(グレインフェッド)があたえられています。)






わたしたちにできること
人として、優先して考えなければならないのは、私たちと牛はどういう関係にあるべきか、ということです。私たちはいったい命あるものを商品として売買してもよいのでしょうか?
どんなに飼い方に配慮しても、本来の寿命よりはるかに短い2年程度でと殺されます。トラックにぎゅうぎゅうに詰め込まれて、と殺場へ連れていかれ、自分が殺される番を待ちます。出荷時には過剰なストレスで、牛の筋肉中のグリコーゲンが減少することも知られています。

牛はとても繊細な生き物です。熊本震災の際も、ある肥育農家では、地震後もストレスで牛たちの餌の摂取量が減ってしまったそうです。(2016.5.31 農業共済新聞)

近畿農政局は、「牛と仲良くなる方法」を次のように書いています。

『牛は苦痛や恐怖に対してとても鋭敏で、見慣れないものや急な動きに対して警戒する非常に繊細な感情を持っています。家畜とは言え、捕食者から身を守るためにいち早く危険を察知して逃げるという野生の本能が根付いています。そういう牛特有の気持ちを理解して、努めて穏やかにゆっくりとした動作を心がけて接すると、性格が温順になり、扱いやすい牛になります
①放牧地に近づくときには名前を呼んだり、おーい、おーいと声をかけながら近づく。
②餌やりなど日常の管理作業の際に穏やかに話しかけながら行う。
③ときにはブラッシングをするなどスキンシップを行う。
④絶対に大きな声で怒鳴ったり叩いたりしない。
⑤牛の前ではゆっくりとした動作を心がけ、走ったり急な動作を避ける。

こんなに憶病で繊細な生き物を苦しめたり殺したりしなくても、私たちはもっと、牛とよりよい穏やかな関係を築けるはずです。


2013年 肉牛飼育場
つなぎ飼育
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肥育牛 (11)_R
肥育牛 (8)_R
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肥育牛 (21)_R

牛舎内での放し飼い
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肥育牛2 (3)_R

そのほかの日本の畜産場の写真
http://www.flickr.com/photos/animalrightscenter/




メモ kitara
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Comment

大人しくさせる為といっても、除角や去勢はやはり残酷な行為に思えてなりません。牛に対しての負担をもっと減らすようにしてもらいたいです。
  • 2014/08/11 22:01
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Re: タイトルなし
わたしもそう思います。ヨーロッパでは角の先端だけを切り、ゴムカバーを着けることで対応しているところもあります。痛みは、その方がはるかに軽減されます。また日本では乳牛の殆どが角を除角されていますが、放牧で、角の切断をおこなっていない酪農をされているところもあります。
また日本の肉牛の半分は角の切断がおこなわれていません。
角の切断をせずに畜産が出来るという現実がある以上、切断をしない畜産を推進していってほしいです
  • 2014/08/12 13:24
  • 動物の解放
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