ある製薬会社の体質「売れればいい」

2013.5.24 朝日新聞
製薬会社ノバルティスの「不適切」な行為
ノバルティスの販売する高血圧治療薬「ディオバン(バルサルタン)」。
この薬について「ディオバンには優れた効果がある」とする研究論文を5つの医科大学(京都府立、東京慈恵会、滋賀医大、名古屋大、千葉大)が出していました。
ノバルティス社はこの効果があるとする論文を宣伝に多用し、ディオパンは国内で累計1兆2000億円超を売り上げる人気薬となっていたそうでう。
しかし、このディオパンの効果を確かめる研究に、ノバルティスの社員が、身分を隠して関わっていたことが明らかになりました。
無題

ノバルティス社は計11億円あまりの寄付金を5大学に提供していたということです。
2014.1.9 毎日新聞 社説より
『昨年末までにまとまった各大学の内部調査のうち、京都府立、東京慈恵会、滋賀の3医大で、同社に都合が良い方向にデータ操作されていたことが判明した。』
http://mainichi.jp/opinion/news/20140109k0000m070077000c.html
お金を与える代わりに、自社商品に便宜をはかってもらう、そんな構造が透けて見える気がします。



ノバルティスは、チバガイギー社とサンド社という、製薬会社2社の合併によって1996年に設立された会社です。

合併前のチバガイギーが過去行なってきた「不適切」な行為
(「世界医療産業の犯罪」ハンス・リューシュ より抜粋)

1978年8月、東京地方裁判所は、国および製薬会社3社(チバガイギー、武田薬品、田辺製薬)にたいして、神経系統の病気を引き起こすオキシキノール(クリオキノール)をを含む薬品を販売したとして、有罪判決を引き渡した。(スモン薬害)
オキシキノールを開発したのはチバガイギーで、消化不良に効くとして、さまざまな名称がつけられて世界中で販売されたが、日本で少なくとも1000人が死亡し、3万人が失明や、下肢麻痺の犠牲となった。
当初チバガイギーは『日本だけがこの薬に非常な被害を受けたのであって、それは製薬会社の誇大広告を過信した日本の国民性の問題である』として自らの過失を認めようとしなかった。ところがヨーロッパ各地でも同様の死亡・失明・麻痺が明らかになってくるにつれ、その言い逃れは通らなくなってしまった。
チバガイギーがこの薬を開発するに当たって行った動物実験の記録には、相当数の動物にオキシノールを飲ませた所、ただちに動物は激しい痙攣を起こし、呼吸困難におちいって、そのほとんどがひどく苦しんで死んだ、と記録されていた。にもかかわらず、それは秘密にされ、この薬は市場に出回ったのである。添付文書には「ペットに飲ませないように」と書かれて。
これは何を意味するのか?研究者が動物実験の結果が人間に役立たないと信じていることの裏づけではないだろうか。いずれにせよ、この薬はどうせ人間が使うのだからと、市場に出されたのである。
チバガイギーはこの薬を回収すると発表したが、在庫品をすべて売りさばくだけの猶予期間は残した。


1985年12月28日付イギリス、ガーディアン紙
スイスのチバガイギーは、昨日、同社が日本の厚生省に提出していたデータを改ざんしていたことを認めた。
今回の偽データは厚生省への密告により発覚した。同社の46種の抗生物質やそのほかの薬品の安全性テストのデータだったが、これまでの、さまざまな製薬会社のデータ改ざんの中でも最大幅の不正だといわれている。日本政府はチバガイギーに対し、データよりも1/6から20日間、国内の2工場の閉鎖と、日本への輸出・販売の停止を命じた。

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ノバルティスに業務停止15日間命令 副作用報告違反で
2015/2/27
スイス製薬大手の日本法人ノバルティスファーマ(東京)が医薬品医療機器法(旧薬事法)で報告が義務づけられた重い副作用を期限内に国に報告していなかった問題で、厚生労働省は27日、同社に15日間の業務停止を命じたと発表した。期間は3月5~19日。
 副作用の報告義務違反で製薬会社が業務停止となるのは初めて。同社は期間中、代替品がない免疫抑制剤など5品目を除く医薬品106品目を販売できなくなる。
 厚労省によると、ノ社は白血病治療薬など26品目の3264人分計5093件について、把握した重い副作用情報の報告を怠った。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG27H8K_X20C15A2CR8000/


「売れればいい」の体質は、社名を変えた後も、脈々と受け継がれています。



メモ souken
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Comment

世に出回るものの多くに蓄積された動物実験の成果が表れていることを考えれば何とも言えない思いになります。動物実験は身近なところにありますね。魚介類や山菜など食材に含まれる毒についての致死量は動物実験で調べることがあるそうです。
私は私が生きているうちにすべての動物実験がなくなることはないだろうと思っています。こう書いてしまうと批判を受けそうですが、生き物は自己中心的な存在です。種の命を平等に捉えている人もいればそうではない人もいるでしょう。私は窮地に立たされたら、餓死の危険が迫っているとしたら、人を食らう(カニバリズム)ほどの生への渇望があるかどうかは分からないにしろ、人間以外なら食料として血肉出来るよう何とか格闘してでも食すだろうと思います。
これまで犠牲になった動物たちに感謝を込めて、今後、動物実験をなくす流れを作る。そういった行動が出来ればいいですね。

ふと周りを見て、油絵に使う絵筆はそのほとんどが動物の毛だなと気づきました。プララスチックの絵筆は使い捨てのようなイメージを持っています。動物毛の絵筆に疑問を抱いていない状況で言えることは少ないのですが、こういったことも技術が向上すれば減っていくのだろうかと思います。

スーツの革のベルトなんかも自転車のタイヤチューブのリサイクルベルトにするとお洒落みたいな流れにならないかなと期待しています。日本にはほとんど売っていませんが…

長文失礼しました。
  • 2013/05/29 18:50
  • 通りもの
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動物実験の成果、と言われているものもありますね。しかしそれが、動物実験なしで開発できなかったということを意味しません。動物を使わない方法は臨床研究、疫学調査、PMDS(医薬品の市場調査)、インビトロ(試験管内での細胞培養)、テクノロジー(MRIなど)、検死解剖などさまざまにあります。またすでに人への臨床研究などで明らかになっていることを動物を使って再現させるということも行なわれています。犬を実験して糖尿病のメカニズムを明らかにした研究者がノーベル賞を受賞しましたが、最終的に犬を実験に使うまでにすでに人への研究でこのメカニズムが明らかになっていたのです。
動物実験することが当たり前になっている社会では、その是非が問われることなく動物実験がおこなわれます。薬の開発に当たっても動物実験が行なわれています。日本で1年に70種類ほどの新薬が動物実験などのデータをもとに承認されていますが、副作用があるとわかり添付文書が書き換えられている薬は毎年100種類以上です。動物実験の結果をそのままヒトに当てはめることはできない、ということは私のような素人ではなく研究者もいっていることです。厚生労働省が出している「医薬品のガン原性に関するガイドライン」には『1970年代からげっ歯類に腫瘍を植えつける実験が繰り返されてきたが、現在これらの実験が人間へのリスク評価にほとんど(あるいは全く)関係ないことが示されている』と書かれています。ヒトと動物とは全く違います。人間に最も近いチンパンジーはエイズになりません。サルはアルツハイマーになりません。同じ人間同士でも人種によって差異があるのに、まして見た目も何も違う動物を実験に使ってそれを人間に当てはめようとするのは、ただたんにヒトに対してとてもできないような実験でも動物に対してなら安易に行なうことができるからです。そしてそこから何であれ明確な結果を引き出すことができるからです。
世界中に20万種類以上の薬があり、薬が多すぎることの害が指摘されているにもかかわらず、企業は成功率27111分の1の新薬の開発を続けています。ハイリスクであってもハイリターンんのビジネスだからです。しかしその失敗作の影にもたくさんの動物が犠牲になっています。WHOの示す必須医薬品モデルは300種類ほどです。チリの薬事委員会は、20~30種類でよいとする答申を以前出しています。薬は患者のためではなく、儲けのために作り出されています。抗がん剤はほんの数グラムが数億するものもあります。生活の質が悪化し、延命効果も疑問視されている抗がん剤が当たり前のように使われていますが、医師271人にとったアンケートでは270人が「自分自身には抗がん剤を使わない」と答えています。この抗がん剤のためにも動物が実験に使われています。

動物を実験しなくても医学は発展します。使わない方がより良く発展します。
小児白血病の治療法、心臓病の薬、HIVの治療、ペニシリン、アスピリン、聴診器、脈拍検査、血圧測定、など動物実験なしで開発されたものです。心臓のペースメーカーもそうです(ヒトにより安全性が確認されたあとで、動物への再現が行なわれています)胆嚢切開手術、子宮外妊娠手術、虫垂炎などの手術は動物実験無しで確立されたものです。
反対に、動物実験したことで起こった害は枚挙に暇が有りません。サリドマイド、ピロリ菌の除去の遅れ、アスベストが市場に長くとどまったのも動物実験においては問題がなかったからです。タバコの害についても同様です。シビレや麻痺を起こすグルタミン酸、スモン薬害、合成エストロゲン、抗精神薬のヒトへの害も動物実験の結果をヒトに当てはめようとしたためです。

生存のために生き物を殺すことと、嗜好のために生き物を殺すことは同列には論じられません。現代の肉食はほぼ、嗜好のために行なわれています。嗜好や娯楽(闘牛や闘犬も日本で行なわれています)、儲け、アクセサリー(毛皮など)のために有情の生き物を苦しめることはできる限りなくしていきたいものです。

絵筆ですが、毛筆ならアダン筆など植物性のものがありますが、油絵の筆はどうかわかりません。
技術の向上の前にまずは、動物問題への関心が高まることが必要かと思いますが、毛皮や革を使わないことがお洒落、などという流行がきたら、多くの動物の命が救われることと思います。
  • 2013/05/30 16:28
  • 動物の解放
  • URL
ふみふみ隊長様。
こんにちわ。先日コメントさせて頂きましたが、投稿出来ていません。私が投稿に失敗していたらよいのですが、不適切なコメントでご迷惑をおかけしていたらと。
申し訳ありません。
何時も情報有難うございます!
  • 2013/06/04 12:55
  • なみ
  • URL
こんにちわ。
先日、ダウンの情報のお礼のコメントさせて頂きましたが、合わせて首を傾げるコメントをする方についても投稿しましたが...。ご迷惑かけてしまったのではないですか?
ただクリックに時間がかかっていましたが。申し訳ありません。
デンマークの動物園のキリンの殺傷処分の記事ご存知ですか?あまりにも残酷で人間性を疑います。大使館にメールし、デンマーク製の購入は控えます。
  • 2014/02/11 12:47
  • なみ
  • URL
Re: タイトルなし
なみさん、いつもお疲れ様です。
最近スパムコメント(?商業目的の)が多く、普通のコメントが埋もれてしまっていて、気がつかないときがあるのです。ごめんなさい。毎日、むごいニュースが入ってきて、胸が痛みますね。それでも一昔前よりはずっとよくなっているように思います。自分にできる活動を続けていきたいです。
  • 2014/02/12 19:58
  • 動物の解放
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添付文書の書きたしがあるのは実験動物での結果と異なるからではなく、ごく稀な副作用が出回ってから発覚することで付け足されることが多いです。実験動物の後に人間でも治験してるんで。
  • 2014/03/10 00:07
  • URL
Re: タイトルなし
副作用ですが、あまり稀なことではなく、たとえば2012年度は90の副作用報告があり、動物実験・臨床試験を経て世に出された薬のうち問題があるとわかり添付文書が書き換えられた薬は100以上です。

  • 2014/03/10 22:22
  • 動物の解放
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