猫と消防隊員

  • Day:2013.01.16 14:20
  • Cat:
2013.1.15 夕方
アニマルライツセンターへ、次のメールが投稿されてきました。
「大阪の北新地のビル名はあましん梅田ビル 薬局の右隣のビルの隙間に猫が朝からはまっていて出られない状態です
消防に連絡しましたが、多分助けられないと言われました
どなたか近くにおられる方、アドバイスお持ちの方、ご連絡いただけませんか??
私の番号は・・・です
救助された場合は私が引き取ります」

電話してみると「その後、消防の人がきてくれたけど、猫の鳴き声が聞こえなくなってて、ほんとにいるのかどうか確認できぬため、いったん帰ってしまわれた」とのこと。

現地に行ってみると、すでに活動仲間のシバタくんがきていました。
そこにいると思われる、鉄板で覆われたビルとビルの隙間からは、たしかに猫の鳴き声は聞こえません。
鉄板をたたいても、呼びかけても反応はなし。
シバタくんの案内で、ビルの裏手へ回りました。その裏手からビルの隙間にはいりこめそうだ、と彼はいいます。しかしそのためには2階の踊り場から隣の屋根に乗り移り、というアクロバティックな作業が必要とされます。「大丈夫なのか?」「落ちやしないか?」という心配をよそに、シバタくんはすいすいと飛び移り飛び降り、隙間の暗闇の中に消えました。

数分後戻ってきて「鳴き声がする。しかし表側同様、隙間は鉄板で覆われていて、中に入ることができない」
ともかく鳴き声はする、そこにいる、とのことで、消防に再度連絡。

「他にレスキュー要請があったら、そちらへ移動しなければならないが」という断りはありましたが、すぐにそちらへ向かう手配をする、とのこと。
電話から5分たつかたたぬかの早さで消防隊員の方たちが3名(途中からもう1名きてくれました)かけつけてくれました。オレンジ色のつなぎにヘルメットをかぶり、長く重そうなはしご、腰周りには懐中電灯や無線機、レンチみたいなものや何に使うのか分からないようなものがたくさんぶら下がっていました。
一緒に持ってこられた一抱えはありそうな大きな工具箱を地面に置き、隊員のリーダーがすぐに人員配備をおこない、一人の隊員がすぐに裏手にまわり、猫の様子を確認に行ってくれました。
表と裏とで無線機のやり取りのあと、裏にまわられた隊員のかたから
「鳴き声が聞こえない」とのこと。

鳴き声が聞こえずとも、姿が見えぬかと、隊員の方たちが強力な懐中電灯で隙間から照らしても、長いはしごを上られて、鉄板の切れる上部から中を照らしても姿が見えない。2階のお店のベランダへ入らせてもらい、そこから隙間を照らしても見当たらない。

ビルの隙間は配線や配管でいっぱいでした。
猫はおそらく周りの騒ぎに怯えて、その配線や配管の影に隠れてしまったのだろう。

『姿も見えず、鳴き声もきこえなければ、隊員たちは帰ってしまわれるだろう』
『朝からいままで、そうとう猫は寒い思いをしているだろう、もし救助してもらえなかったら死んでしまうだろう』という私の非建設的な心配をよそに、消防隊員たちはひたすら建設的に、地面にへばりつき床の隙間から中を照らしてみたり、はしごに登りさまざまな角度から中を照らしたり、ネコに呼びかけてみたりして、もくもくと猫の姿を探してくれました。

とちゅうから駆けつけてくれた消防隊員の方が、はしごの上部から下をじっくりと見まわして、言いました。
「ここにいるやん」


猫は騒ぎに驚き、じっとしていたのです。

猫がいることが分かったあとの、隊員たちの動きはさらにスピーディーでした。
ビルの隙間に取り付けられた、手作業で外すのは到底不可能と思われるような、ガッチリとめられた鉄板はあっという間に取り外され、猫を逃がさぬようとらえるための「業務用」網が用意され、ビルの隙間に隊員の一人がするっと潜り込みました。
猫の暴れる声が聞こえて数秒後、猫は無事に網の中へ収められました。

私もシバタくんも、仕事中の合間をぬってかけつけてきた方(最初にアニマルライツセンターに情報を流してくれ猫を引き取るといってくれている優しい方)も、ほっと一息つきました。

隊員の方たちは猫をとらえた後、重い鉄板を再度取り付け、工具を片付け、襟をただし、次のレスキュー現場に向かわれました。

隊員の方たちは終始真剣な動きで「たかが猫」という様子はまったくみられなかったです。
法律がどうであろうと、罰則がどうであろうと、命は命、かけがえのないもの、そんな風に思っているのは私たち活動家だけではないことを、強く感じた一日でした。
レスキュー作業中、現場を管理してくれた警察官の方は猫用のキャリーバッグを用意してなかった私たちのために、署にあまっているのがないか問い合わせてくれました。
このビルの中で働いている方たちは「ずっと鳴いていて気になっていた。助けてあげて」と言われていました。

飼ってくださるかたが引き続き仕事のため、いったん私が家に連れ帰ることになりました。
捕獲用の網の中で暴れており、バッグにうつす際も暴れましたが、家につれて帰る間中、バッグの中でずっとおとなしく微動だにしませんでした。死んだのではないかと心配になり何度かそっと中をのぞきましたが生きていました。
ネコにとって、とても大変な一日だったことでしょう。

シバタくんがたくさん買ってきてくれたネコ缶と水を、家に帰ってからあげましたが、まったく動かず、かばんからも出てきませんでした。でも頭をなでると、きもちよさそうにしていました。夜中に何度かニャーニャーと小さな声で鳴きました。

朝起きるとネコ缶を入れておいた容器が空に、水も飲んでいました。ネコは元のままかばんの中にいました。
朝、飼って下さる方に引き渡すために、ほかのかばんにネコをいれようとしたところ、ネコはもう暴れず、じっとしていました。かばんに入れるためにネコを両手で抱えたとき、ネコがとても小さく軽いことに初めて気が付きました。

1/16 7時半にネコを引き渡しました。今日病院に連れて行ってくださるそうです。とても優しい方なのでネコはきっと安心すると思います。

消防局の方にお礼の手紙を書こうと思います。



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  • 2013/01/16 15:41
コメントの操作分からなく、さっきの非公開にしちゃったかも…
  • 2013/01/16 18:44
  • めー子
  • URL
Re: タイトルなし
> コメントの操作分からなく、さっきの非公開にしちゃったかも…
ふふ・・非公開になってました^^ごめんね、なんかわたしもまだFC2よく分かってないんよ~。
さっきめ~ちゃんからいただいたコメント。以下です

ふみふみさんありがとうございます。
柴田君も。消防署員の方も。

ありがたい。

いつも動物たちの苦しみの話ばかりで
こういう話聞くと、ほっこりする。

猫って敏感だから
救出時は、大きな音やたくさんの人でビックリしたのかもしれないですね。

これから幸せになって欲しい★
ステキなお話をありがとうございます。

以上です。
わたしも、昨日は行くときは「ねこを助け出すことができなかったらどうしよう」と暗い気持ちだったけど、帰りは、ほっこりした気持ちやったよ。消防隊員のかたたち、すごくかっこよかった。子供があこがれる気持ち分かるなあって思った。弱きを助ける正義の味方やって思った^^
  • 2013/01/16 19:12
  • 動物の解放
  • URL
こんばんは!
とても良いお話ですね!
でも、最初はドキドキハラハラしながら読ませていただきました(#^^#)

命拾いをしたこの猫ちゃん、
きっと長生きしてくれますよ♪
暗いニュースばかりだったので、すごくあたたかい気持ちになりました。

かけつけてくれた皆様、消防隊員の皆様、ありがとうございました。

ニャンコ、良かったね。幸せになってね(´∇`)
  • 2013/01/16 22:50
  • ゴン
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  • Edit
Re: こんばんは!
わたしも、ほんとうにホッとしました^^閉じ込められたまま死んでいったら・・と不吉なことばかり考えてしまいました。消防隊員の機動力のは脱帽しました。今日お礼の手紙を投函しました^^
  • 2013/01/17 11:55
  • 動物の解放
  • URL
Re: タイトルなし
わたしも、家に帰ってから、なんだか温い気持ちでした。ほんとうは消防局がネコのために動いてくれるなんて思ってなくて。子供が消防士にあこがれる気持ち、やっとわかりました。
  • 2013/01/17 12:02
  • 動物の解放
  • URL
感謝!
ふみふみ隊長様。
こんばんは。以前、マンホールから、よくご飯をあげていた猫の声がし、迷いましたが消防署に行きました。自転車で一人で来られると思い、私がマンホールに入るつもりでした。ところが、消防車と若いオレンジのレスキューの方が数人。びっくりしました!皆さん、黙々と動かれてて。結果は、マンホールから道があったらしく、隊長さんが、「あの猫違う?」とライトで照らしだされ所に、猫がお座りし私達を見てました。
もう平謝りでした。でも、気持ちの良い言葉を残され帰って行かれました。梅田の猫ちゃん、幸福に!関われた皆様、有難うございます!

  • 2013/01/19 19:09
  • なみ
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Re: 感謝!
なみさん、こんにちわ!消防隊員、ほんとうに気持ちの良い方たちで、おどろきました。猫も無事やったしいろんなひとの善意が感じられて、気持ちの良い夜でした^^マンホールか・・猫ってほんといろんなとこに入り込むなあ・・
  • 2013/01/20 10:43
  • 動物の解放
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