人間が海外から連れてきた動物を、「日本の生態系を脅かす」として駆除すること

50年まえから周囲1キロほどの岩山の島で、
観光客から投げられる餌を頼りに生きてきた猿


遊覧船から投げられる餌を、子供を腹にかかえて追いかける猿

1996年、遊覧船にのった観光客が「岩山にすごくやせた猿がいる」とおどろいて、アニマルライツセンターに通報したそうです。

以下、アニマルライツセンターより抜粋

静岡県南伊豆町、ヒリゾ浜の向かいの、大根島(オオネシマ)という周囲1キロ、高さ60メートルの岩山の無人島がある。 そこに、観光の目玉として、1965年頃、台湾から輸入された数十匹ほどのサル(タイワンザル)が放たれた。 周囲1キロほどの大根島は、動物園のサル山が巨大になったような岩山の島で、一部に申しわけ程度の緑があるだけで、果樹はなく、断崖絶壁の島でカニや海苔などを十分に捕食できるとも思えず、雨露を凌げるような構造物もない。
観光業者によると、年間100日は悪天候のため大根島に近寄れず、その間まったく餌は与えられていないとのこと。2009年の環境省の調査によると、7~8頭生息しており、うち2匹は子供だとのこと。

2005年外来生物法によりタイワンザルは「特定外来生物」に指定。
環境省と、サルを観光資源として餌付けしてきた伊豆クルーズは、タイワンザルを「大根島から排除、展示施設へ収容」することを決定。

しかし、収容先不明のまま年月が経過。

2012年 環境省と飼養者である伊豆クルーズは、資金難等を理由に、タイワンザルの捕獲・殺処分をすることを決定。

以上、抜粋終わり。

大根島のサルたち
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2005年に施行された、外来生物法により『タイワンザル』は特定外来生物に指定されました。特定外来生物とは、海外からやってきて、日本の生態系を脅かすとして指定された生き物です。特定外来生物に指定されると、飼養、運搬などの取扱いが規制され、被害が出ている場合は駆除が行われます。

50年近くも近親交配を続け、仲間が飢えて死んでいくのをみていたであろう猿が、どんな思いで生きてきたのか。暑い日、寒い日をどうやってしのいできたのか。
観光客が遊覧船から投げ与える唯一の餌をどのような思いで追いかけていたのか。
岩山まで届かず、海へ落ちていった餌をどんな思いで見ていたのか。

食べ物のない、寒暑をしのぐことのできない岩だらけの島から、本土へ移して離してやることはできません。外来生物法上、違法になるからです。しかし本土へ離すことができたとしても同じことかもしれません。タイワンザルだろうがニホンザルだろうが、日本では年間2万匹ものサルが「有害鳥獣」として駆除されているからです。

2005年に施行された外来生物法は、廃止されるべき法律です。動物たちは自分の意思で飛行機や船に乗って海外からやってきたのではありません。人間の手によりつれて来られたのです。その動物たちが増えすぎると、日本の生態系を壊す、として根絶殺害しようとするのが外来生物法です。
原因は「外来動物」にあるのではなく、人による動物の輸入です。
厚生労働省は「日本は世界で最も多種多様な動物が輸入されている国」と言っています。

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1939年、毛皮用に輸入したヌートリア。毛皮が売れなくなったため、捨てられ野生化。ほかの種を脅かすとして、特定外来生物に指定され、処分がすすめられています。

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1928年、毛皮用に輸入したアメリカミンク。毛皮が売れなくなったため、捨てられ野生化。ほかの種を脅かすとして、特定外来生物に指定され、処分がすすめられています。

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アライグマ。元々は北米~中米の動物。最初に日本で野外繁殖しているのが確認されたのは1962年、その後「あらいぐまラスカル」の人気からペットとして大量輸入。捨てられたり脱走したりして野生化。他の種を脅かすとして、特定外来生物に指定され、処分がすすめられています。

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ジャワマングース。
1910年に「マングースはハブを主食にしている」という間違った情報に基づき、ジャワマングースが沖縄本島に放たれた。
1970年にも、奄美大島にハブ駆除目的でジャワマングースが放たれた。
生態系を脅かすとして、現在徹底した駆除が進められており、沖縄北部と奄美大島ではジャワマングースの数が激減している。
奄美大島では2000年に1万頭いたといわれるジャワマングースが、300頭にまで減った(*)と推測されている。
*http://kyushu.env.go.jp/naha/pre_2013/data/0430ca.pdf
ジャワマングースには身の危険をおかしてまでハブを捕獲する理由を持っていない。
今ではハブにかまれて死ぬケースは減少しているが、これはジャワマングースのおかげではなく、ハブの乱獲、血清の普及、ハブ生息地の開発が理由である。
2015年度外来種被害防止行動計画によるジャワマングース駆除方針によると、
<目標>
・ 関係機関との協力の下、2020 年(平成 32 年)までに複数の小区画で地域根絶を達成し、2022 年度(平成 34 年度)までに奄美大島及びやんばる地域において、根絶が達成される。(環境省)




そのほか、アカゲザル・カミツキガメなど処分がすすめられています。

ドイツでは、海外からやってきても50年以上国に住んでいる動物は「在来種」とされます。
日本にはそのような法律はありません。

2012年12月、今後の「外来生物法」のあり方について、環境省は「いかにして防除(駆除)、根絶していくか」をまとめています。→ http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=21183&hou_id=16099 

ある種を、その種であるという理由で、「駆除根絶」するのは、ホロコーストです。
外来種であろうが在来種であろうが有害鳥獣であろうが人であろうが、種というくくりではなく、個々が、かけがえのない命です。




メモ kitarak
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