象牙

アフリカゾウ象牙製品の商取引、米国でほぼ全面禁止に
2016年06月03日 09:42 発信地:ワシントンD.C./米国


【6月3日 AFP】
米当局は2日、アフリカゾウの象牙製品の商取引をほぼ全面的に禁止すると発表した。アフリカゾウ保護を推進する長年の活動が実を結んだ形だ。

 各自然保護団体は、この米当局の動きを歓迎している。アフリカに生息するゾウ45万頭のうち、毎年3万5000頭あまりが主に象牙目的で殺されていると推定されている。

 サリー・ジュエル(Sally Jewell)米内務長官は、取引の禁止について、「ゾウ密猟の惨劇と、それが野生個体群に及ぼしている悲惨な影響に終止符を打つことに対して、米国が率先して全力で取り組むことを明確に示している」と述べた。

 ただ、米国でのアフリカゾウ象牙市場を制限する今回の動きではあるが、正式書類がある骨董品などは免除の対象となる。米国は、違法な象牙製品の消費国としては中国に次いで世界第2位だ。それでも、米魚類野生生物局(FWS)は、7月6日の発効以降は、米国全州でのアフリカゾウ象牙製品の輸入、輸出、販売などが「大幅に制限される」としている。

 FWSの声明によると、大半の商取引が禁止される一方で、楽器、調度品、銃器などを含む一部の「既存の加工された」品物については、含まれる象牙が200グラム未満で、また他の特定基準を満たすものに関しては例外とされるという。

 また、米連邦法「絶滅の危機に瀕(ひん)する種の保存に関する法律(Endangered Species Act)」の下で「骨董品」と定義される品物も例外とされる。作られてから100年以上が経過しているなど、いくつかの必要条件を満たすものは骨董品とみなされる。

 ジュエル内務長官は、「他の国々が、同様の規制を実施することで、血塗られた象牙の流れを食い止めるための迅速な、断固とした行動を取ることを望んでいる。われわれの孫やその子どもたちが、この象徴的な動物種を知らないなどということがないようにするためには、それが不可欠となる」と話した。(c)AFP/Jean-Louis SANTINI



日本で違法な象牙取引が横行、覆面調査でも確認
業者からはウソを書くよう持ちかけられ、規制制度は穴だらけ
2015.12.15


契約などに使われる印鑑の材料。1989年に象牙取引が世界的に禁止された時点で、象牙印鑑の需要により日本は世界最大の象牙輸入国だった。
 中国の象牙需要が闇市場を拡大させ、毎年数万頭のゾウが違法に殺されるようになる以前、活発な象牙取引を後押ししていたのは日本の印鑑市場だった。契約書などに押す、本人だと示す判である。(参考記事:「象牙と信仰 密輸象牙はこうして使われる」)
 日本では少なくとも千年にわたり、さまざまな素材で印鑑が作られてきた。20世紀初めには水牛の角、木、水晶といった印材が大半だったが、1950年代以降の日本の経済成長に伴い、象牙の印鑑の人気が高まった。ケニアに拠点を置く調査保護団体「セーブ・ジ・エレファント(STE)」の報告によれば、1980年には、日本で使用された象牙の総重量のうち55%が印鑑の製造に使われていたという。

 1970年から1989年までに、日本が輸入した象牙は5000トンに上る。米ワシントンD.C.に本部を置く非営利団体「エンバイロンメンタル・インベスティゲーション・エージェンシー(EIA)」は、これは約25万頭のゾウに相当するとしている。1989年の時点で、日本は世界最大の象牙輸入国となっていた。(参考記事:「ゾウの60%が消えたタンザニア、その原因は」)

 野生生物の国際取引を規制する「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES)」、通称ワシントン条約で象牙の国際取引は1989年に禁止され、1990年に発効した。

 だが1999年、ワシントン条約締約国会議は、日本に対し象牙約50トンの試験的輸入を許可した。違法に入手された象牙を国内市場から締め出す対策を確実に取っていると日本がアピールし、締約国会議もそれを認めたためだ。2008年には再び一時輸入が認められ、翌2009年に日本は39トンを輸入した。

 現在、日本は非合法な象牙の流通を取り締まれていないことが明らかになってきた。EIAは12月9日に公表した新しい報告書で、次のような厳しい結論を下している。「日本の制度は抜け穴だらけであり、法規制が弱いために効力が乏しく、最も基本的なレベルにおいてさえ有効な歯止めが存在しない」

 報告書が挙げる大きな問題点5つを紹介する。

1. 日本の象牙取引規制制度には大きな抜け穴がある。

 象牙を所有するには、合法的に入手したという証明のための登録が義務付けられている。1999年か2009年に一時輸入された物か、ワシントン条約による取引禁止以前の物であれば違法ではない。しかしその証明は、禁止以前の輸入だと示す税関の申告書のような正規の法的な書類以外にも、日本の輸入業者が「合法的に入手した」と自分で明言した書面でも差し支えない。「つまり、象牙の登録で利益を得る立場の者が、合法性を証明する主要な証人でもあることを意味する」と報告書は指摘する。当然のことながら、この制度は至る所で悪用されている。報告書は、出所の「疑わしい」つまり「合法的な入手または出所だという確実な証明が少しもない」象牙が、2011年以降1000本以上登録され、合法のお墨付きを得ていると指摘している。

2. 日本の象牙取引業者は、象牙を登録するためにしばしば違法な手段を取ろうとする。

 EIAの調査員が37の象牙取引業者に接触したところ、30の業者が未登録の象牙を買い取るか切り分けよう、あるいは嘘の記載をして登録しようと持ち掛けてきた。覆面調査員に対し、複数の業者が「書類には嘘を書かないといけない。登録証明書が欲しいなら、本当のことを書いてはいけません」と説くという具合だった。(参考記事:「密猟象牙の闇ルートを追う 特別調査レポート」)

3. 日本では象牙の取引が増えている。

 登録される象牙の数は年々増えている。2010年に約500本だった登録数は、2014年までに1900本近くにもなった。同時に売り上げも伸びている。Yahoo! Japanでの象牙の売り上げは2010年には約200万ドル相当だったのが、2014年には700万ドル近くにまで跳ね上がっている。

4. ネット販売が違法取引の中心だが、政府の監視が行き届いていない。

 日本の2大インターネット小売サイト、Yahoo! Japanと楽天市場では、象牙の売り上げは毎年右肩上がりだ(もちろんどちらも違法な商品の出品は禁止している)。EIAの研究者が数えたところ、8月のある1日だけで、この2つのサイトで販売されている象牙製品だけで6000個、計510万ドル分もあった。その大部分は印鑑だ。報告書は「ネット通販業者の多くは、法が定めた最低限の基準も満たしていない」とし、このことは日本政府の「監視の脆弱さ、および象牙の違法取引に対し実効性のある強制措置に踏み切る能力または意志がない」ことの証だとして批判している。

5. 日本で売られた象牙の一部が、中国など海外に流出している。

 象牙の国際取引は違法であるにもかかわらず、数多くの入札・購入代行業者が、国外のバイヤーに対し、日本の小売サイトやオークションサイトから象牙を買う手助けを行っている。香港に拠点を置くある会社は、日本の業者が販売する8000以上の象牙製品リストを自社のサイトに掲載しており、日本国外からの購入も仲介可能とうたっていた。これまでのところ、公的機関は日本から中国へ送られた象牙1トン近くを押収している。(参考記事:「史上最大の象牙焼却処分、香港で実施へ」)
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Comment

初めまして
その角が漢方薬になるとかで海外ですが動物園内のサイまで密猟にあい殺されてしまったと聞きました。そこまでして長生きしたい、健康でいたいなんて私は全く思いません。象牙もしかり、象牙のはんこう等絶対!買いません!!一生懸命生きている命を奪ってまでそんな物持つ意味もないし必要ありませんから!…人間も動物も大切な同じ命、もっと沢山の人達に見て見ぬふりせず現実を知ってもらいたいです。
  • 2017/04/18 18:16
  • 心暖
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