年末年始は、パブコメを出そう「食育推進基本計画」

  • Day:2015.12.30 16:00
  • Cat:畜産
食育基本法に基づき「食育推進基本計画」が作成されています。
このたび、この「食育推進基本計画」の見直しに当たって、国が国民からの意見を募集しています。

「第3次食育推進基本計画骨子」に関する意見募集について
締め切り 2016年1月8日(金)まで
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=095151660&Mode=0
*上記リンク先の「意見募集要項」に意見提出方法や文字数(1000文字以内)などが記載されています。


「第3次食育推進基本計画骨子」には、“動植物の命を尊ぶ機会となるような様々な体験活動や適切な情報発信等を通じて、自然に感謝の念や理解が深まっていくよう配慮した施策を講じる”と書かれています。
しかし妊娠ストールやバタリーケージなどの非人道的な畜産方式に必要なのは感謝の念ではなく、それは「間違っている」と認識させる施策こそが食育だと思います。

アメリカでは、工場型畜産でぎゅうぎゅうに押し込められ劣悪な環境で飼育される動物たちの動画を子供たちに見せて、「これは間違っているやり方だ」と教育する公立の学校もあるそうです。

ぜひ皆様からも、畜産動物に関して、正しい食育が行われるよう意見を届けてください。


アニマルライツセンターから提出した意見
(文字数オーバーのため、各意見ごとに提出)

5ページ

第1 食育の推進に関する施策についての基本的な方針「(4)食の循環や環境を意識した食育の推進 について。

国連食糧農業機関(FAO)は2006年に調査報告書「家畜の長い影」(Livestock’s long shadow) の中で「畜産業はもっとも深刻な環境問題の上位2.3番以内に入る」と発表しています。この研究を踏まえ、畜産物の消費を減らす必要性を啓発し、環境へ配慮する必要がある旨を含めるべきだと考えます。

11ページ

第2 食育の推進の目標に関する事項>2.食育の推進に当たっての目標>(5)中学校における学校給食の実施率を上げる について。

食の多様化にともないベジタリアン、ヴィーガンの子供が増えていること、またアレルギーの子供も増えていることに配慮し、学校給食での選択肢を増やす、または誰もが食べられる給食に変換を図る必要性を追加すべきと考えます。

12ページ

第2 食育の推進の目標に関する事項>2.食育の推進に当たっての目標>(7)栄養バランスに配慮した食生活を実践する国民を増やす について。

この項目には「栄養バランスに配慮した食事を習慣的にとることが必要」と記載されていますが、栄養バランスについて間違った情報提供がなされていることが多々あります。例えば「肉を食べなくてはならない」という誤った知識の提供です。
『現在専門家の間では「多種類の植物性食品をバランスよく摂取すれば、植物性たんぱく質は、たんぱく質の所要量および必要なエネルギー量を満たす」というコンセンサスが得られています。しかしいまだに一般書の中には「菜食主義者の食事では必須アミノ酸が足らない」「ベジタリアンはたんぱく質不足になる」という誤った記載が認められます。』
(『』内 ベジタリアンの医学(蒲原聖可 著 2005年)より引用)

「肉を食べなければならない」と指導する栄養士もいますが、実際には肉を食べずとも、必要な栄養素を摂取することは十分可能であり、健康面からベジタリアンになったスポーツ選手や著名人は少なくありません。2003年、アメリカとカナダの栄養士会が作成したベジタリアン食についてのガイドラインでは、「適切に準備されたベジタリアン食は、健康に有益であり、必要な栄養素を満たしており、いくつかの疾患の予防や治療にも利点がある」とされています。

この項目には“「栄養バランスに配慮した食事」とは何か、正しい情報提供を行う”ことを盛り込んでいただきたいと思います。

13ページ

第2 食育の推進の目標に関する事項>2.食育の推進に当たっての目標>(11)農林漁業体験を経験した国民を増やす について。

この項目には“農林漁業体験を経験した国民(世帯)を増やすことを目標とする。”と記載されていますが、体験が、必ずしも正しい情報の取得につながっていない場合があります。例えば日本の一部の学校で行われている「鶏を殺して食べる授業」での飼育方法は、現実に商品として大量生産され市場に出回る鶏とは、その飼育方法が大きく異なっています。この授業では、生徒たちは3ヶ月かけて、1羽1羽を広いスペースで丁寧に育てますが、現実には何万という鶏が建物の中に同時に投入され、1か月半で出荷されています。飼育時の収容密度は16~19羽/㎡*というのが日本の平均です。畜産の「イメージ」を体験するのではなく、現実の畜産についての情報を正しく知ることこそが食育であると思います。

この項目には、“農林漁業体験は「実態を正確に知る」ことにある”ということを、盛り込んでいただきたいと思います。

*2014年調査 http://jlta.lin.gr.jp/report/animalwelfare/index.html

18ページ

2.学校、保育所等における食育の推進>第3 食育の総合的な促進に関する事項 について。

「取り組むべき施策」の一つに、「畜産業と環境負荷の問題」を追加していただきたいと思います。現在、地表面積の42%が畜産業(家畜飼育の場所や家畜の飼料生産)に使われおり、国連食糧農業機関(FAO)は2006年に調査報告書「家畜の長い影」(Livestock’s long shadow) の中で「畜産業はもっとも深刻な環境問題の上位2.3番以内に入る」と発表しています。国連環境計画は、環境の維持のためには肉食を減らす必要があるとも言っており、
海外では都市ぐるみで「ミートフリーデー(肉なし日)」に取り組んでいるところもあります。「畜産業と環境負荷の問題」は食育の一環として重要な課題だと考えます。

31ページ

6.食文化の継承のための活動への支援等 >(1)現状と今後の方向性 について。
「戦後は、この食文化を生かし和食の基本形である一汁三菜2 の献立をベースに、 畜産物や乳製品等も取り入れ、主食・主菜・副菜のそろう栄養バランスに優れた 「日本型食生活」が構築され、国民の平均寿命の急上昇にもつながった。 」
とありますが、畜産物や乳製品を取り入れたことにより疾病が上昇したという報告が数多くあります。特に乳製品については日本人の体質に合っていない(乳糖不耐症の保有者95%)という科学的知見が存在します。この文章では「畜産物や乳製品等も取り入れ」たことが「平均寿命の急上昇につながった」と、誤解を招く恐れがあるため、「畜産物や乳製品等も取り入れ」の部分は削除すべきと考えます。

33ページ

7.食品の安全性、栄養その他の食生活に関する調査、研究、情報の提供及び国際交流の推進 について。

この項目には“食生活や健康に関する正しい知識を持ち、自ら食を選択していくことが必要である。”と記載されていますが、自ら食を選択していくためには、その農畜産物がどのような方法で生産・飼育されてきたものか、正しい知識を持つことも欠かせないものと考えます。
また、2014年の調査*では、79.4%の消費者が、「自分が購入する畜産物(肉、卵、牛乳等)が、どのような環境で飼育されたものか知りたい」という傾向にあることが明らかになっており、消費者自身も、情報提供を望んでいることが分かります。
取り組むべき施策として、“農畜産物がどのような環境で生産・飼育されてきたものか正しい情報提供を行うこと”を盛り込んでいただきたいと思います。

*【調査名】畜産動物に関する調査
【実施主体】NPO法人アニマルライツセンター *民間の調査会社に依頼
【調査期間】2014/12/17~2014/12/19
【有効回答数】1,188
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