鳥インフルエンザ

  • Day:2014.12.30 21:05
  • Cat:畜産
12月28日、山口県の養鶏場で3万7000羽の、宮崎県の養鶏場では4万2000羽の鶏の殺処分が開始された。
高病原性鳥インフルエンザが確認されたためだ。
12月30日朝、首相官邸では「鳥インフルエンザ関係閣僚会議」が開かれた。

鳥インフル発生のたびに徹底した防疫措置が行われる。
人の出入りが制限され輸出入が停止され、消毒が行われ鶏は殺処分される。
しかし問題は解決しただろうか。
毎年世界各国で鳥インフルンザが発生し、事態は終息していないのだ。

鳥インフルエンザが猛威をふるいはじめた2003年から2011年の間に高原性鳥インフルエンザのために殺処分された家禽は4億羽といわれている。

日本の家畜伝染病予防に基づく飼養衛生管理基準には「密飼いの防止」あげられている。過密飼育は伝染病のリスクを高める。過密飼育から来るストレスは鶏の免疫力も低下させる。
しかし日本の卵用鶏は1羽あたりアイパッド一枚分くらいのスペースで飼育されており、肉用鶏は1平方メートルあたり16羽という過密飼育だ。
健全な衛生状態を保つことも難しい。養鶏場に行ったことがある方なら分かるが、建物からかなり離れた場所でも糞尿の臭いが分かる。日本では養鶏場1戸あたり平均5万もの鶏が飼育されているのだ。糞尿の量も半端なものではない。鶏たちは大量の糞尿とともに生きている。鶏は気嚢を持っており、その大きさは肺の約9倍あり、酸素消費量は豚・牛と比べて3倍以上ある。鶏たちは自らの排泄物から発生したアンモニアなどの有害物質、ホコリをたっぷり吸い込む。こういった鶏たちにはワクチンや抗生物質が多剤投与される。日本の2014年度の鶏のワクチン製品数は184だ。(すべてが投与されるのではなく、15種類ほどある鶏病に対してそれぞれプログラムそってワクチンが投与される)
更に肉用鶏なら肉が効率よくつくように、卵用鶏なら卵を効率よく産むように「品種改良」されている。ブロイラーは少量の餌で体重が増えるよう改良されてきたため「高速成長病」ともいうべき骨格の問題や腹水症を抱えている。急激な体の成長に脚がついていけず歩行困難になっている鶏もいる。ブロイラーの1/4は、一生の1/3を慢性的な疼痛の中で生きているだろうという報告もある。採卵用鶏の「改良」も過酷だ。少しの餌でたくさんの卵を産ませるために、採卵用の鶏に行われてきた遺伝的選抜は、鶏の骨をもろくしてしまった。自らに必要なカルシウムも卵の殻として排出されてしまうため、と殺の出荷前の捕鳥作業時、輸送のときに骨折しやすい。

このような形質をもち、このような環境で飼育される鶏たちが病気に強いと考えられるだろうか。
鳥インフルエンザが発生しては徹底的に殺し、発生しては徹底的に殺しと繰り返しても解決にはならない。
もっと根本的な見直しが必要だ。畜産業は転換期に来ているのだ。私たちは鶏肉や卵を食べたいという気持ちを抑えなければならない。動物の習性や感受性を無視した大量生産大量の工場型畜産に歯止めをかけなければならない。
鳥インフルエンザは家禽たちからの警告なのだ。
動物はモノではないのだ。



sou
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