ファミリーマート「フォアグラ弁当」発売中止の理由

「フォアグラ弁当」発売中止の理由

2014年1月28日からコンビニの店頭に並ぶ予定だった「フォアグラ弁当」について、ファミリーマートは次のニュースリリースを発表しました
『平素よりファミリーマートをご愛顧賜りまして誠にありがとうごいます。
2014年1月10日付で発表させていただきました「ファミマプレミアム黒毛和牛入り ハンバーグ弁当~フォアグラパテ添え」(税込価格:690円/発売予定日:1月28日)につきまして、多大なる反響を頂戴いたしましたが、一部のお客様のご意見の中に、フォアグラを使用した商品の取扱いについてご指摘をいただきました。
フォアグラは日本国内においては一般的な食材ではございますが、お客様から頂戴したご意見や諸外国におけるフォアグラに対する見解の違い、フォアグラ自体の生産過程なども踏まえ、弊社内で慎重に検討しました結果、当該商品の発売を見合わせることとなりましたので、お知らせ申し上げます』

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強制給餌
アヒルやガチョウの肝臓を脂肪肝にさせたもの、それがフォアグラです。脂肪肝にさせるために行われる「強制給餌」は、現代の工場式畜産を代表する飼育方法です。
鳥たちは、一日に体重の1/4から1/3の量の餌を、長い金属の管で、吐き出せないよう胃まで直接流し込まれます。体重50kgの人なら一日に15kgものトウモロコシの粉と油の混合物が胃に流し込まれる計算です。それが3~4週間続けられます。
普通、動物は餌の時間を喜ぶものです。しかしEUの報告(※1)では、「強制給餌を受ける鳥たちは、フィーダー(給餌人)が寄ってくるとペン(囲い)の中で逃れようとする」と指摘されています。

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ケージ飼育
問題は強制給餌だけではありません。より効率よく生産できるよう、鳥たちが狭いケージに閉じ込められることも、国際原則である「5つの自由」(※2)に反します。
鳥には尾腺があります。そこから分泌される油をくちばしでとり、鳥たちはまんべんなく羽の手入れをします。しかし方向転換もできないケージの中でそれはかないません。強制給餌の終わりに近づくころには美しかった羽毛は排泄物と餌で覆われます。
EUの報告(※1)によると、フォアグラ用に飼育される鳥類の死亡率は、一般的な畜産で飼育されるアヒルの20倍にも上ることがある、といわれています。


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海外の規制
ヨーロッパの多くの国が強制給餌を禁ずる中、世界のフォアグラの80%を生産するフランスでは、2005年に「フォアグラは保護すべき仏文化、料理の貴重な遺産である」という宣言を国民議会で可決し、現在も強制給餌をつづけています。
しかしそのフランスも変わりつつあります。国民の44%が強制給餌に反対しており(※3)、フォアグラ生産者の間でも、飼育方法を変えていこうとする動きが出ています。
仏フォアグラ生産者委員会のマリー・ピエール・ペー氏は次のように言っています。
「私たち(フランスの生産者)は競争力を高めなければならず、やり過ぎたかもしれない」
2012年7月から、アメリカ カリフォルニア州では強制給餌によるフォアグラの生産・製品の販売が禁止されています。動物保護団体の運動を受けてフォアグラ禁止法案を提出した民主党のジョン・バートン議員は、「給餌の現場を見たら正しいことだとは思えなくなるだろう」と指摘しています。
かつて世界第4位だったイスラエルは、すでに2003年に、自国におけるフォアグラの強制給餌を禁止。現在、強制給餌されたフォアグラの「輸入販売」も禁止すべきではないか、との議論が行われています。
2013年10月英国amazonはWebサイトでのフォアグラの販売を禁止。
2014年1月、フォアグラの販売をデンマークで唯一継続していたスーパーマーケットチェーンが、その取り扱いを中止。
2014年7月 インド フォアグラの輸入を禁止


日本の状況―フォアグラブーム
ここ1,2年、居酒屋、ファミリーレストラン、ファーストフードなどでインパクトのある「目玉商品」として格安のフォアグラが販売されています。昨年末にはコンビニのポテトチップスにもフォアグラが登場。「欧米で売れなくなってきているフォアグラの受け皿として期待されているのがアジア」とも言われています。(※4)財務省貿易統計によると12年度前期と13年度前期の、日本のアヒルのフォアグラ輸入量は、14%増。
生産の現場をしらない消費者はインパクトのある世界三大珍味のフォアグラに飛びついてしまいます。しかし販売する企業には社会的責任があるはずです。

フォアグラの生産方法を知りながらも「食文化として理解してほしい」「法には触れていない」としてフォアグラメニューを提供し続ける企業もあります。そういう中にあって、ファミリーマートの示した態度には、大きな意義があったと思います。
企業が商品を売り出すまでには、マーケティング調査や生産ラインを考え、数々の準備をし、その上で、プレスリリースして発売に踏み切ります。にもかかわらず、なぜファミリーマートがたった22件の抗議(※5)で、準備してきた「フォアグラ弁当」の発売中止を決定したのか?フォアグラ生産過程の何が問題なのか?
ファミリーマートの決断は、普段省みられることのない畜産動物について、多くの消費者が目を向けるきっかけになったのではないかと思います。




※1 1998年『動物の健康と福祉に関する科学委員会』
※2 すべての動物に与えられなければならないとされる、国際的な動物福祉基準
※3 2009年フランスCSA調査
※4 宝島社記事より
※5 産経新聞によると、「残酷だ」と寄せられた意見は1/10から24日昼までで、22件


フォアグラをメニューに入れて提供したジョナサンや、ウェンディーズのフォアグラに対する考え
http://maypat01.blog.fc2.com/blog-entry-16.html

● 記載の写真はAnimal Equality UK
● フォアグラ流通の圧倒的多数を占めるのは強制給餌によるものです。しかし強制給餌を行わないフォアグラを仕入れているレストランもあります。メニューにフォアグラがある場合は確認をしてみてください。(飼育に手間と時間がかかるため、一般的なフォアグラ価格より高価なものとなります)



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