「血統」のためのペットの悲鳴

  • Day:2016.08.23 21:37
  • Cat:
写真はフェイスブックより
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スコティッシュフォールド
耳が前に垂れ下がっていることが特徴的な猫。
見た目の「愛らしさ」からブリーディング(繁殖)が行われ、
日本では100,000~300,000円で販売されています。
しかしイギリスではスコティッシュフォールドの繁殖は法的に禁止されているそうです。

なぜか?
『スコティッシュフォールド同士を交配すると、多くの子孫が生後早期に歩行障害を示すことが判明。
発祥した猫は、変形や短縮した足を持ち、レントゲンですぐに判明するような成長板を傷害するような異常所見が得られる』
ことが分かったからです。
http://blogs.yahoo.co.jp/matubarahos/27770488.html?fb_action_ids=10200728424732466&fb_action_types=og.likes&fb_source=other_multiline&action_object_map=%7B%2210200728424732466%22%3A10150813575285332%7D&action_type_map=%7B%2210200728424732466%22%3A%22og.likes%22%7D&action_ref_map=%5B%5D
遺伝病です。
かわいらしいやカッコいい、見た目が特徴的なペットを作り出すために行われる、選択的繁殖が原因です。

耳の軟骨が正常でないから、耳が折れ曲がっています。
その「特徴」は全身に影響を及ぼします。


スコティッシュフォールドが遺伝的にかかえる「骨軟骨異形成症」はあらゆる軟骨に瘤を作らせ、四肢を腫れ上がらせ、かさぶた上の潰瘍を作らせます。骨軟骨異形成症を発症したスコティッシュフォールドは抱きかかえると嫌がるそうです。痛いからです。

猫よりもっと、選択的なブリーディング、近親交配が行われている犬では500種類の遺伝病が確認されています。
キャバリアは、脳の大きさが頭蓋骨より大きくなっているそうです。
安楽死せざるを得ない飼い主もいるそうです。
その痛みは想像に余りあります。

2012年放送 続・犬たちの悲鳴 ~ブリーディングが引き起こす遺伝病


2008年放送 犬たちの悲鳴 ~ブリーディングが引き起こす遺伝病



2016年7月29日
遺伝病のペットが日本で放置されているのはなぜか
http://diamond.jp/articles/-/97098?page=2

きっかけは、2016年5月26日の 朝日新聞朝刊に載った記事。
「ペットショップで買った犬が病気だった――。そんなペットに関するトラブルが後を絶たない。犬猫の飼育頭数が減少傾向に転じ、犬の販売頭数も減っているとされるが、国民生活センターに寄せられる相談件数はなかなか減らない」
 …で始まり、その一因は「高リスク繁殖」にあり、「見た目のかわいさだけを考えて先天性疾患のリスクが高まるような繁殖が行われている。消費者としては、様々な疾患が見つけやすくなる生後3ヵ月から半年くらいの子犬や子猫を買うことが、自己防衛につながるでしょう」という獣医師のコメントで締められていた。
「リスクが高まるような繁殖」って? 消費者は、飼わなければ自己防衛できるとして、先天性疾患(遺伝病)を持ったペットたちはどうなるの?
 気になって調べ出した。

 かつて日本獣医師会会長を務め、現在は2015年3月に発足した一般社団法人『犬の遺伝病研究会』の理事長をしている山根義久氏は話しだした。
「ドイツでは遺伝子をチェックし、子孫に高い確率で病気が発現しそうな、繁殖に向かない個体については、繁殖禁止です。日本はチェックをせず、人気の犬種を無制限に繁殖させています」
 日本のブリーダーは大概個人で、専門の教育機関もなく、誰でも簡単になることができるため、ドイツやイギリスのような動物愛護先進国と比べ、ブリーダーの質にはばらつきがあり、遺伝病や繁殖に対する知識も低い場合が多いという。
「動物愛護の点では、日本はとんでもない後進国ですよ。でもね、資金力が乏しいブリーダーたちに、責任を全部負わせるのは酷な話です。医学的な研究も進んでいない分野ですから。獣医師でも、遺伝病のことはあまり分かっていない」

驚くことに、法制化されたにもかかわらず、まったく進展していない事例もある。平成14年10月に施行された『身体障碍者補助犬法』だ。
「同法では、補助犬となる犬の遺伝病の診断についても、付帯事項で検討を進めることになっていましたが、進展していません。補助犬(特に盲導犬)を増やそうと取り組みを始めたのはいいが、育成期間が終了した後で、股関節形成不全、進行性網膜萎縮、特発性癩癇といった遺伝病が発症し、そこまでに費やした2年前後の歳月と200万円あまりの経費がふいになってしまう事態が考えられます。
 現状として、候補犬を選択する段階でこれら遺伝病に対する適切なスクリーニング検査が行われていないこと、さらに候補犬選択が行われる年齢では確定診断できない疾患があることなどが問題です」
 普通、「リスクの高い繁殖」と聞けば、「血が濃い」関係での近親交配が思い当たる。
ならば、悪徳ブリーダーを指導して近親交配を禁止し、徹底させればいい?
 あるいは、遺伝病を持つペットを販売しないよう、不届きなペットショップに対し、徹底した健康診断を義務付ければいいのか?

 否。そんな勧善懲悪で片づけられない3層の障壁が、この問題には立ちはだかっている。
 まず、第1に、ブリーダーが譲渡前に検査を受けようにも、多くの遺伝病は、検査法や診断法が確立されていないし、遺伝病自体の研究も進んでいない。
 第2に、獣医師やペットショップが、販売前に発見できる遺伝病は限られている。
 そして、第3に、生後4ヵ月~1年ぐらい経過した後の販売なら、病気の有無を見極められる確率は若干高まる。しかし現状は「消費者が求める、より小さくて、かわいい」生後45日からの販売が一般的で、平成25年に施行され、欧米では常識になっている「8週齢未満の犬猫を販売してはならない」という規制さえ、徹底されていない。
 8週齢未満で親兄弟から引き離された犬猫は、吠える、噛む、なつかないといった問題行動が多く、見た目のかわいらしさで衝動買いしたものの手におえなくなった飼い主が、動物保護センターに持ち込むケースが多く、殺処分が減らない原因の1つになっている。
 研究者、獣医師、ブリーダー、ペットショップ、そしてペットを飼いたい消費者(生命ある者を引き取るのに、この言葉は正直使いたくない。生命を消費する…いやな言葉だ)も、国を挙げて変わらなければ、この問題は解決できないだろう。

多くの獣医師は遺伝病を敬遠
筆者の愛犬も遺伝病で苦労

「獣医師の多くは、遺伝病と診断したとしても、飼い主さんに告げるのを躊躇する場合がある」
 山根氏はさらにこんな衝撃的な話をした。

「いずれも治療法が確立されていないため、治しきることはできません。症状を緩和させる程度の対症療法しかないのです。獣医師は何もできないので、多くの動物病院は遺伝病を敬遠します」
 実は、我が家の愛犬は生後7ヵ月の時、行きつけの動物病院で「エナメル質形成不全」という遺伝病であることを告げられた。すべての歯のエナメル質が形成されていないため、虫歯になりやすく、「普通にしていたらすぐに歯が全部なくなってしまうから気をつけてあげて」と。だが、気をつけてあげようにも、獣医師は歯をこまめに磨いてあげること以外、アドバイスはくれなかった。というかできなかったのだろう。ちなみにペットショップとの契約の際には、「いたって健康」であることを“保証”する獣医の診断書を渡された。今から9年前、まだ我が家の周辺に動物の歯医者さんはなく、相談に訪れた他の数件の動物病院も、「治療手段はない」と謝るばかり。ただ、1人の獣医師が2ヵ月後、「地域初の動物の歯医者さんが開業する予定があるから紹介状を書いてあげる」と提案してくれた。
 渡りに船とありがたく紹介してもらい、2ヵ月後、動物の歯医者さんの診察を受けた愛犬は、翌日さっそく半日入院し、全身麻酔下でエナメル質に変わる補填材を塗ってもらい、治療完了。治療費の合計は9万円。保険には入っていなかったので、懐はだいぶ痛んだが、お陰様で現在も歯は全部残っており、元気にもりもりドッグフードを食べている。
 一度の処置でなんとかなる病気で助かったと思う。それでも、1歳にもならないうちに歯が全部なくなってしまうかも…という宣告には震撼させられた。また、「先天性」と言われても、飼いはじめてから5ヵ月経っていたので、ペットショップに苦情を言うという発想も思い浮かばなかった。
 仮に言ったとして、「では同じ犬種の健康な犬と交換します」と応じられても困るし、ペットショップに返した場合、殺処分という悲劇が彼を待っていると想像するだけでも、いたたまれない。

わずか6歳で目が見えなくなったパグ
1歳で歯が全部なくなっていたチワワ

 改めて思い返すと、8歳で足腰が立たなくなり犬用の歩行補助器具をつけているコーギー、わずか6歳にして白内障を発症し目がほとんど見えなくなったパグ、1歳にして歯が全部なくなっていたチワワ…私の周囲だけでも、これだけの病犬がいる。
 飼い主たちはいずれも遺伝病だとは思っておらず(遺伝病ではないかもしれないが)、「腰に負担をかけるような運動をさせてしまったのだろうか」「栄養が足りなかったのだろうか」などと思い悩み、もっと注意してあげていればよかったと、自分を責めている。

 取材で出会った獣医師の中には、「ほとんどの獣医師は、遺伝病であるとは伝えないはずですよ」と明言する人もいた。

「この問題は、ペットショップとブリーダーが協力し、繁殖の現場から遺伝子病を減らしていくしかない」
『国際小動物医学研究所』の筒井敏彦所長は根っからの動物好き。取材の日、開口一番で話し出したのは、研究所近くの親水公園の鴨の話題だった
 国際小動物医学研究所(BioPlus)の筒井敏彦所長は言う。
 筒井所長は、日本獣医生命科学大学の名誉教授で、ペットの繁殖にまつわる研究を40年に渡って行ってきた人。
 同研究所は、大手のペット関連会社(株式会社AHB)が運営する世界でも珍しい研究施設であり、日本で唯一の小動物の繁殖障害専門診療所を併設。遺伝子病や感染病等の研究に加え、様々な検査・診断・診療・手術等にも対応するほか、特定の遺伝病を発症しない子犬子猫を世の中に広げるための遺伝子病検査や、契約する約3000人のブリーダーに対する啓蒙活動・情報発信等を行っている。
会員ブリーダーを対象としたシンポジウムの様子。年一回、全国各地で巡回開催し、カンや経験に頼らない、学術的で科学的な、正しい知識や最新情報の共有を図っている
 現在、ペットの流通ルートは3種類ある。
(1)契約ブリーダーから直接販売業者が仕入れ、消費者へ。(株式会社AHB)
(2)ブリーダーが犬猫をオークションに出品し、販売業者が仕入れて消費者へ。
(3)ブリーダーが直接消費者に販売する。
 主流は(2)のルートで約70%を占めている。

「遺伝病等の知識を積極的に学び、適正な繁殖をしている良質のブリーダーから、消費者が直接、ペットを購入するのがあたりまえになるべき」
 前出の山根氏はそう言っていたが、AHBのように、業者が研究から情報発信、遺伝子検査の実施までを請け負うシステムが普及すれば、国としての対策を待つまでもなく、問題は加速度的に解決に向かうような気がする。
「我々が10年かけて研究してきたことを、ブリーダーの皆さんに1年で伝えています。理解していただき、適正な繁殖ができるブリーダーが増えれば、問題解決は大きく前進するでしょう」
 とはいえ、取り組みはまだ日が浅い。AHB内でも、遺伝病を発症するペットはいるはずだが、その場合はどうしているのだろう。

「当社に殺処分という言葉はありません。診療所が引き取り、どんな症状であれ、愛情を持って終生飼養しています。社員が個人的に引き取っているケースも多いですよ」
 こうした同社の取り組みは明るいニュースだが、ペットを取り巻く環境には依然、闇がある。
 心ないブリーダーが、狭い場所でケージを何段も重ね、糞尿まみれの状態でペットを飼い、無計画な近親交配を繰り返している例や、動物保護センターから引き取りを拒否された犬猫が民間業者の手で大量に殺処分されている例、手術の練習台や輸血用として売却されている例等、悲惨な事例を挙げたらきりがない。
 全体としてのモラルの低さは、未熟な業界であることの証明とも言える。




sou
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