野生動物の殺し方


グラフィックス1
ワナにかけられ、「腱と皮だけでつながった状態」で、捕獲者に発見されたイノシシ。
2012年に撮影されたもの。

野生動物は、さまざまな方法で殺されています。
こういうやり方で殺さねばならない、という決まりはありません。
鳥獣保護を図るための事業を実施するための基本的な指針には
「捕獲個体を致死させる場合は、できる限り苦痛を与えない方法によるよう指導するものとする」
とされていますが、具体的な殺し方は示されていません。

殺す際に、長時間にわたり恐怖と痛みを与えるやり方は珍しいものではありません。
止めを刺す「止め刺し」の時だけではなく、ワナにつかまり捕獲者がやってくるまでの間も、動物はもがき苦しみます。
逃れようともがき、ワナにかかった足が擦りむけ、「関節がちょん切れて、腱と皮だけで繋がっていました。」ということもあります。


残酷ではないワナはありませんが、その中でもくくりわなやトラバサミは特に残酷です。

2013年6月
鹿 くくりワナ 
長時間かけて足をワイヤーで固定後、ナイフで殺す。

くくりわなに捕らえられた動物が「足が折れ皮一枚で繋がっている状態」で、ワナを見回りに来た捕獲者が発見することもあります。

ワナの見回りが3日にいっぺんなら、最長で3日間、捕獲者がやってくるまでもがきます。
人の仕掛けたワナにかけられたイノシシや鹿の中には、もともと3本しか足がないものもいます。
以前ワナにかけられたときに、足を引きちぎって逃げたのでしょう。

箱ワナならいいというわけではありません。
親子で捕らえられることもあります。

2012年12月
鹿 親子


2012年10月
イノシシ 親子
「親は外傷性ショックで虫の息」


2010年3月
鹿 親子
一撃必殺でない場合は、もがき苦しみます。子がさきに殺され、親は自分の番を待ちます。


2014年4月
イノシシ
箱ワナにかかった動物は「保定」されるまでの間、恐怖で苦しみます。


箱ワナの中で放置され、熱中症で死んでしまうハクビシンもいます。
現実に箱ワナにかかった小動物を、そのまま川に投げ込んで溺れ死にさせるということも行われています。
このようなやり方は日本の法令や基準に反します。






しかし、できるだけ苦しまない方法を考案されている方もいます。

電殺による方法

2013年5月
イノシシ
『実際の止め刺しはヤリで何度も刺したり棒で殴ったりと壮絶です。猪の最後を苦しませずに止め刺しすることを願っての方法です。狩猟をされている方のみご覧ください。』


電気止め刺し器
2016年10月31日 日本農業新聞より
https://www.agrinews.co.jp/p39326.html
[資材ナビ] 電気止め刺し器 末松電子製作所 「短時間で安全に」 負担減り捕獲数増
長崎県農林技術開発センターなどの研究チームは、害獣用の電気止め刺し器を開発した。捕獲した鹿やイノシシを電気で止め刺し(殺処分)する。作業が素早く、安全にできるため、捕獲従事者の負担が軽減できる。9月から限定販売を始めた。狩猟者に利用のポイントを聞いた。

 長崎県東彼杵町の鳥獣被害対策実施隊の粒崎松二さん(68)は「止め刺しが早くできるので、次のわな設置も早く、捕獲数が増えた」と効果を実感する。町から貸与され、試作段階から止め刺し器を利用する。

 止め刺し器は、充電式バッテリー内蔵の電源ユニットと、害獣に電気を流す通電支柱などで構成する。支柱先端の通電針(先端電極)を、害獣の背骨付近に刺し、失神させた後、心臓や脳に近い首筋などに通電させて殺処分する。「取り出しやすいように、取り出し口にイノシシを追いやって止め刺しする。最初は失神に20秒、2回目も20秒ほど電気を通す。1分で作業が終わる」と粒崎さん。出血もなく、殺処分までが早い。

 害獣が箱わなと先端電極に同時に触れることで電気が流れる仕組み。粒崎さんは、箱わなの取り出し口に水2リットルを掛け、電気を通しやすくして、効果を確実にする。

 「とにかく作業が安全」と粒崎さん。成獣のイノシシは100キロを超えることもあり、暴れると、箱わなを壊すほど危険。以前は、ロープやワイヤをイノシシの体に絡めて固定して殺処分していたが「大き過ぎると5、6時間かかることも。手が出せず、弱るまで2、3日待つこともあった」と話す。

 粒崎さんは、地元集落内の10箇所ほどで箱わなを管理する。以前は年間20頭ほどの捕獲が、いまは100頭を超える年もあるほど。今年は8、9月だけで74頭を捕獲。殺処分から箱わなを再び仕掛けるまで短時間にできることで、捕獲頭数増につながったとみる。

 利用の際には安全対策を怠らない。使用時は電気を通さないゴム製手袋、長靴を着用。作業は決められた手順を必ず守る。止め刺し器の使用前は、研修会に参加。毎年開かれる鳥獣害の講習会にも参加して、常に安全の意識を持つ。「大変なのは捕獲後の殺処分。止め刺しの負担軽減は、鳥獣害対策に必要」と強調する。

 東彼杵町では他の鳥獣被害対策実施隊メンバーも止め刺し器を使う。イノシシの捕獲は2015年度で約900頭。止め刺し器導入で「捕獲量が増えた」(同町)とみる。年1回開く、わなや電気柵の講習会に止め刺し器の利用と安全講習も設け、必ず参加してもらうという。
電気止め刺し器「エレキブレード」
 農水省の事業で長崎県農林技術開発センターと、電気柵メーカーの末松電子製作所(熊本県八代市)、捕獲わなメーカーの三生(佐賀県鳥栖市)などが共同開発し、特許を出願した。殺処分作業の軽減と、出血がなく、殺処分後の個体もきれいなため、精神的負荷が大きく減らせる。

 末松電子製作所が「エレキブレード」の名で9月から販売。支柱は組み立て式。支柱先端部分の長さは、注文に応じて変えられる。電源は、フル充電で20~30回使える。通電ケーブルの接続部などは防水仕様。ショート防止機能付きで先端電極が、箱わなに接触した時は、自動停止する。誤作動を防ぐため、二つのスイッチ操作で通電するなど安全性を高めている。

 「鳥獣害対策をしていない地域に販売しない」と同社。販売は、社員が購入先を訪れ、適正な使用方法を説明する体制をとる。当面は、地方自治体が組織する鳥獣害対策協議会向けに販売し、実施隊を中心に安全利用を進める。長崎県などの研究チームは「止め刺し技術の継承も必要。止め刺し器も対策の選択肢の一つと考えてほしい」と提案する。


価格は84,240円
問い合わせは末松電子製作所0965(53)6161


↓こちらの電気止め刺し器の値段も88,000円ほどだそうです。
http://newfuel1.com/kariken/densatu.html



電殺器であればほとんど一秒で即死です。
銃であれば、動物がワナにかかっているのを確認してから出ないと、銃を持ち出すことができません。銃刀法に反するからです。しかし電殺器は、銃と違い持ち運ぶことができます。法的な問題はありません。
電気的スタニング (Electrical stunning) による野生動物の殺処分について


一撃で急所を狙うためにレーザー付の銃を使う方法

2014年10月
イノシシ


箱ワナの動物を穏やかに保定する方法

2010年11月
イノシシ
角材を檻の網目から一本ずつ突っ込み、動きを封じる方法



箱ワナにかかった動物を、何度もヤリで突き刺して殺す、という方法がおこなわれている自治体に下記文書をFAXしました。
何度もヤリで突き刺して殺す、というのはこの自治体だけではありません。
多くの自治体で行われていることです。
みなさんが住んでいる地域の農業振興課や野生動物グループなどに問い合わせて見てください。(「野生動物の駆除について聞きたいのですが」と問い合わせると、担当部署につないでくれます)
もし何度もヤリで突き刺して殺しているのなら、改善を求めてみてください。
くくりワナやトラバサミの使用をやめるよう求めてみてください。
殺すのではなく、侵入の防止に重点をおいてほしいと、お願いしてみてください。
税金の使い道を決めるのは、わたしたちです。


農業振興課 ○○様

先ほどは電話でお話を聞いていただきありがとうございました。
野生動物の殺し方ですが、より人道的な方法として、電殺を検討していただけますようよろしくお願いします。
こちらのサイトに詳細・問い合わせ先が掲載されています。
「止め刺し 電殺器」で検索できるかと思います。
http://newfuel1.com/kariken/densatu.html

通常箱ワナにかかった野生動物を殺す際には、何度もヤリで刺して、という方法が行われますが、動物が死ぬまでに時間がかかり苦しむだけではなく、止め刺しをする人にも危険な作業だといわれます。
何度も突くとアドレナリンが出て、動物はより暴れることもあります。
しかしこの電殺ですと、背中の辺りのどこか1点に、電殺ヤリを刺せば、1秒で動物は殺されます。
(箱ワナ以外ですと、電気を通す役割をする金網部分がないため、2点刺す必要があります)
銃と違い持ち歩きができ、法的な問題はありません。
電殺による止め刺しがどのようなものか、動画で見ることもできます。
「猪 電気による止め刺し 動画」で検索できるかと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=nnWq7hp9bzM
電殺器の金額は8万円程度だということです。

また、箱ワナにかけられた動物を、従来どおりヤリで刺す場合も、狙いがそれて何度も刺して苦しめてしまうようなことのない方法を見つけました。
角材を箱ワナのメッシュの間から差し込んでいく方法です。
「箱ワナのイノシシの止めさし1.AVI」で検索できるかと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=H9Bq2SI5nvQ

このやり方ですと、銃を使う場合でも、銃の狙いが外れて即死させることができないということも減ると思います。また、時間のかかる保定作業は、動物を恐怖で苦しめ、人も疲れる作業ですが、角材を使うこのやり方でしたらそのような問題も軽減されると思います。

また、今年の夏に、農研機構の「野生動物による畜産被害の状況」の講演を聞きましたが、「駆除を続けてきたが効果がないことがわかっている。的確な侵入防止対策に今は重点を置いている」というおはなしでした。殺すのではなく「確実に防ぐ」ことを推進していただけますよう、あわせてお願い申し上げます。




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