動物の解放活動家 ヘンリー・スピラ

スピラは、彼の生涯の最後の20年の間に、主に家畜に焦点をあて、彼らを「世界の犠牲者の中でもっとも無防備なもの」と呼んだ。
彼は動物の解放運動が「自分が生涯をかけてきたものー弱者、犠牲者、支配されている者、抑圧されているものの側にたつことーの論理的な延長である」と言い、生涯の終わりまで「力が正義なりとというファシズムを信奉するのでない限り、われわれは他者を傷つける権利を持たない」と信じていた。

ヘンリースピラ
fotoSpira.jpg

ヘンリースピラ
商船隊員、自動車産業労働者、左翼ジャーナリスト、組合活動家、公民権活動家、ニューヨーク市の高校教師を経て45歳で動物問題活動家になった。アメリカ自然史博物館の地下で18年間行われていた2人の心理学者によるネコの実験(ネコの脳の一部を切除して性行動に及ぼす影響を調べるもの)を停止させ、研究室を閉鎖させた。また、レブロンとエイボンがウサギの目で化粧品の実験をするのを止めさせることに成功した。1998年没。

アメリカ自然史博物館で行われていた実験
「その実験はアメリカの50万ドルのアメリカの税金を資金として行われたが、目的は、つぎのことをネコに施した場合、ネコの性生活に影響があるかどうか調べることであった。
・視神経を破壊して盲目にすること
・内耳の一部を破壊して聾にすること
・脳の嗅覚中枢を破壊して、嗅覚をなくすこと
・オスの子猫の性器の神経を除去すること
・脳の一部に外科手術で傷害をあたえること
・生殖器に電気刺激を与えて殺す「電気生理学的試験」
この実験について館長のトマス・D・ニコルソン博士はこういっている。
「この博物館を著名なものにしているものが何かあるとしたら、それは実証できる実益とは無関係に、研究したいことを何でもできる自由です」


「永遠の絶滅収容所」チャールズ・パターソン著
「罪なきものの虐殺」ハンス・リューシュ著




kitara
スポンサーサイト

製薬会社の利益のために使われる税金

20140626135904.jpg
2014.6.26日付 朝日新聞1面

2007年に始まった国家プロジェクト「J-ADNI1(アルツハイマー治療薬の研究)」の事務局、バイオテクノロジー開発技術研究組合に、未審査で2億の補助金が出されていたそうです。
この「バイオテクノロジー開発技術研究組合」は製薬会社中心に29社で構成されており、本来なら企業の利益のために研究がゆがめられることのないよう補助金を出す前に審査が行わなければなりません。
しかしそれが行われていなかったということです。
2億円の補助を受けたバイオテクノロジー開発技術研究組合の理事長を務めるのはエーザイの内藤社長。その組合の主要職にはエーザイの出向社員が就き、全国38の病院から集まってくる臨床データを管理するのもエーザイの出向社員だそうです。

日本国家のプロジェクト「J-ADNI1」はエーザイをはじめとする製薬会社からなるバイオテクノロジー開発技術研究組合が代表となり補助金を直接受けており、データの所有権も得ているそうです。

製薬会社にとっては市場拡大を狙える、実に魅力のある国家プロジェクトです。補助金ももらえます。

関係者の間では
「製薬会社による製薬会社のための国費研究」
と指摘されていたそうです。


エーザイの事情
以下朝日新聞4面より抜粋
『エーザイの主力商品であるアルツハイマー治療薬アリセプトは、2010年に米国で特許が切れて米国での売り上げが90%以上減り、11年に国内での特許も切れた。エーザイは治療薬開発をめざし07年に始まった国家プロジェクト「J-ADNI1」に当初から出向者や資金を出すなど積極的に関与』


アリセプト
この特許の切れたエーザイのアルツハイマー治療薬「アリセプト」では、その毒性試験・薬効試験で、ラット、犬、マウス、うさぎ、モルモットが実験に使われています。

アリセプトの承認審査情報より、以下ごく一部抜粋
・経口投与による毒性試験では、マウス及びラットでは急性症状及び最小致死量ともに大差なかったが、犬では最小致死量がマウス・ラットに対して低く毒性が強く発現した。マウス及びラットの死亡例では、肺にうっ血、および失血がみられることから呼吸抑制による死亡とみられた。

・0.3、1、3、8mg/kgをゼラチンカプセルで犬に一日一回、13週間の予定で経口投与した。投与量は7日間及び4週間予備試験において10mgで痙攣、摂食量減少、肝障害がみられたため8mgを最高用量とした。しかし8mg投与後2日目までに雄雌各2匹が死亡し、雌1匹は切迫屠殺(瀕死状態にある場合に行う屠殺)した。

・1、4、16mg/kgの用量でラットの妊娠7日から14日まで経口投与し、母、胎児、出生児への影響を検討した。投与量は妊娠ラットをもちいた予備試験で5mg/kg以上で縮瞳(瞳孔が過度に縮小すること)、10mg/kg以上で体重増加抑制、筋線維束性攣縮(筋肉が不規則にぴくぴく動くこと)、自発運動の低下及び流涙、20mg/kg以上で摂食量の低下、30mg/kgで死亡が認められたが胎児にはいずれの用量においても致死作用、催奇形成は見られなかったため16mg/kgを最高用量とした。

・マウスにおけるガン原性試験を30、60、120、180mg/kgの用量で実施した。その結果30mgでは変化は見られなかった。60mgでは雄で尿による鼠径部の被毛の汚れ、会陰部の腫脹(炎症などで腫れ上がること)の発生頻度増加が認められた。120mgでは雄雌に円背位(背中を丸くして前かがみになった姿勢)、被毛粗剛(被毛に色つやがなく、毛並みが荒れている状態)、尿による鼠径部の被毛の汚れの発生頻度の増加、体重増加抑制、摂食量減少、雄で生存率の低下、会陰部の腫脹、陰茎の嵌頓包茎の発生頻度の増加が認められた。180mgでは雄雌に円背位、被毛粗剛、尿による鼠径部の被毛の汚れの発生頻度の増加、体重増加抑制、摂食量減少、雄で生存率の低下、、自発運動の低下、脱毛、ただれなどの皮膚病変、腎臓の肥大、会陰部の腫脹、陰茎の嵌頓包茎(陰茎突出により包皮、陰茎の腫れ、壊死あるいは外傷もまれにみられる)の発生頻度の増加、雌で振戦()の発生頻度の増加が認められた。なお180mgの雄で多く発現した途中死亡/切迫屠殺例の原因は種々の臓器(包皮腺、陰茎、皮膚)などにおいて認められた慢性の炎症であると考えられた。

・ラット104週間混餌投与がん原性試験―30mgでは雌雄で脱毛、皮膚のただれ、後肢皮膚炎、皮膚膿瘍の発言頻度の増加、体重増加抑制、雄で全身蒼白化、削痩及び尿による鼠径部の被毛の汚れの発言頻度増加、摂食量減少、精巣、前立腺及び精嚢の小型化の発現頻度の増加とそれに対応する精巣の変性と石灰沈着(カルシウムが沈着し、組織が硬化する)―・・・

・ラットに薬を経口投与し、投与0.5、1、2、4、8、12時間後にそれぞれ全脳摘出し―・・

・薬を投与し、1時間後にマウスへペンチレンテトラゾール(痙攣をおこさせる薬)を腹腔内投与した。その後10分間にわたり強直性痙攣及び痙攣死の有無を観察した。

・痛覚に及ぼす影響―薬をマウスに経口投与し、1時間後に酢酸溶液(酢酸溶液を投与されたマウスには痛みにより特有の「身悶えるような症状(ライジング)」がみられる)をマウスへ腹腔内投与した。その5分後から15分間にわたり、痛みの指標として苦悶症状(ライジングシンドローム)の出現回数を観察した。
動画は上記と同様のライジングテスト



アリセプトの添付文書
このアリセプトの添付文書には以下のように書かれています。
・本剤がアルツハイマー型認知症の病態そのものの進行を抑制するという成績は得られていない。
・アルツハイマー型認知症以外の認知症性疾患において本剤の有効性は確認されていない





1990年台に販売された認知症の薬は1兆円をこえる市場となったが、そのうち8割が効果がないことがわかり1998年から2000年にかけて次々と効能が削除されたり、承認が取り消された。
http://www2.incl.ne.jp/~horikosi/No159.htm


腐敗にかんするそのほかの記事
ディオパン



veg

動物サーカスは動物を苦しめていないのか?


ロシアのサーカス団、ボリショイサーカスでは、動物を使用したサーカスが行われています。



夏休みの思い出?
こんな変な格好で足で筒をまわしたり、逆立ちで歩いたり、玉の上に乗ったり、難しそうに自転車に乗ったり。こんなことを熊がしたいわけがない、調教師は手に鞭を持っています、口輪をはめさせれて、縄をつけられて、こんな滑稽な動きを動物が好むわけはありません。



動物を苦しめて芸を覚えさせることはできない、といわれる方もいますが、ロシアで2013年に、動物保護団体が告発したサーカスのサルの調教の様子はこのようなものでした。


大勢の人がいるざわざわした環境、まぶしいライトの中で、動物に決められた時間に決められた動作をきちんと行わせるために、体罰・餌をやらない以外の調教方法があるのでしょうか?
調教のときだけではありません。長い長い距離の移動、ロシアから日本まで、また日本国内の移動、これらも動物にとって苦痛ではないでしょうか?檻の広さはどれくらいなのでしょうか?ボリショイサーカスの会場の裏手で狭い檻の中で待機している犬や熊の写真を見ると、サーカスの動物たちが幸せだとは感じられません。移動中もそういった狭い檻にいれられているのではないでしょうか?長い移動中にたまには檻から出して散歩をさせてもらっているのでしょうか。サーカスに出ている時間以外はどこでどういった風に過ごしているのでしょうか?

ボリショイサーカスや木下サーカスの動物たちが、舞台の裏側でどのような檻に入れられているのか、こちらのサイトから写真が見られます。
http://circuscruelty.animals-peace.net/

元サーカスの調教師のウラジーミル・デリャブキン
「リングには残酷さはありません、それは舞台裏にあるのです。私には、どんな客席でも拍手喝采させる芸がありました。熊が私のパートナーのリューダの前で、張り子でできた玉を手で握りしめながら、膝をつくというものです。どこから見ても、効果的で可愛らしい芸です。でもリハーサル中、動物とは別な「会話」が交わされているのです。私は熊たちがこの芸をするのを拒否しただけで、殴られたのを見ています。調教師はがまんできなくなり、爆発し、なぐるのです。決して忘れることが出来ないのは、熊の血にまみれた調教師の靴です。動物たちはこんな風に容赦なく扱われているのです。リハーサルだけでなく、たまに観客の目の前でおこることもあります。ある有名な調教師が、豹をリングの柵のところに落とし、豹が痙攣するほどなぐったのを見たことがあります。この私も熊を不具にしたことがあります、このウラジーミル・デリャブキンが! 胸を強く殴ったら、この可哀相な熊は、目に混濁ができてしまったのです。いまでもこの情景は忘れられません。」
2002年48号「論拠と事実」より



動物は、火に近寄ったり、逆立ちで綱渡りをしたくないでしょう。
自然界で動物が椅子に座ることはしないでしょう。こんな変な格好で、綱を渡りたいネコはいないでしょう。
動物に、このような不自然なことを覚えさせるのに、体罰、餌をやらない、以外にいったいどんな方法があるのか、私にはわかりません。
長い長い距離を、ロシアから日本まで、そして日本国内の移動中、船や飛行機やダンプで運ばれるとき、檻の中で、動物は何を思っているのだろうか。息苦しくはないだろうか、しんどくはないだろうか。調教されている時、何を思うのだろうか。辛くないだろうか、痛くないだろうか。
普段、どのように過ごしているのだろうか。


サーカスでの動物使用を禁止する国々
ヨーロッパ
オーストリア:野生動物の使用禁止。
ベルギー:野生動物の使用禁止
オランダ:2015から「全土においてサーカスで野生(動物)哺乳類の使用を全面に禁ずる」法律が施行される
ボスニア·ヘルツェゴビナ:すべての動物の使用禁止
クロアチア:野生動物の使用禁止
チェコ共和国:特定の種の使用禁止
キプロス:すべての動物の禁止
デンマーク:特定の種の使用禁止
エストニア:野生動物の使用禁止
フィンランド:特定の種の使用禁止
ギリシャ:すべての動物の使用禁止
ハンガリー:野生で捕まえてきた動物の使用禁止、サーカスのためのゾウと霊長類とワシントン条約付属書Ⅰの動物の購入・トレーニングの禁止。
アイルランド:3つの自治体ではサーカスでの動物使用禁止、また7つの自治体では野生動物とエキゾチックアニマルの使用禁止
ポーランド:野生生まれの動物の使用禁止
スロベニア:野生動物の使用禁止
スペイン:バルセロナを含むいくつかの町で、野生動物の使用禁止
スウェーデン:特定の種の使用の禁止
英国: 200以上の地方自治体は、動物の利用禁止(これらのうち3分の2以上はすべての動物の利用禁止、残りの自治体は野生動物のみを禁止)

北アメリカ
米国:46の自治体で、一部あるいはすべての動物の使用禁止
カナダ: 28市町村で動物の使用禁止。

中南米
アルゼンチン:20以上の都市で、野生動物の使用禁止
ボリビア:すべての動物の使用禁止
ブラジル:リオ・デ・ジャネイロを含む多くの都市で、すべての動物の使用禁止
チリ:サンティアゴ市で、すべての動物の使用禁止
コロンビア:野生動物の使用禁止
コスタリカ:野生動物の使用禁止
エクアドル:野生動物の使用禁止。エキゾチックアニマルの使用の制限
エルサルバドル:すべてのエンターテイメントで野生動物の使用禁止
パナマ:すべてのショーで野生動物の使用禁止
パラグアイ:野生動物の使用禁止
ペルー:野生動物の使用禁止。マグダレナでは、すべての動物の使用禁止

オセアニア
オーストラリア:いくつかの町で動物の使用禁止

アジア
インド:特定の種の使用禁止
イスラエル:野生動物の使用禁止
シンガポール:野生動物の使用禁止
台湾:保護された野生動物をサーカスために輸出入することを禁止

各国でサーカスの動物利用が規制されつつあり、動物を利用しないサーカスは拡大しつつあります。



動物サーカス廃止活動(2012~2014年)


souke

ヒトラーはベジタリアンではない

ヒトラーがベジタリアンだったという話をよく聞きます。
あんな極悪非道のいやらしい大量虐殺者がベジタリアンだったなんてことがあるのだろうかと疑問に思っていましたが、やはりベジタリアンではないそうです。

「タバコを吸わず、酒も飲まず、ベジタリアンで、女とは交わらない禁欲主義」というのは、ナチスがヒトラーに「クリーン」で禁欲的なイメージを植え付けるための宣伝であって、実際はタバコを吸わないだけで、酒が好きで愛人もおり、ソーセージが大好きで鳩の雛が大好物、甘いものもには目がなかったそうです。青年時代から消化不良と胃痛に悩み、ガンになることを非常に恐れ肉を控えるように努力をしていたそうですが、大好きな肉料理をあきらめることができなかったそうです。

また犬が好きだったという話もありますが、好きなのは自分の犬だけでユダヤ人の犬は殺していました。


以下、「永遠の絶滅収容所」(チャールズ・パターソン著)より

彼の食事の好みがなんであったにせよ、ヒトラーはドイツにおけるベジタリアンの主張にはほとんど共感を示さなかった。彼が1933年に政権を握ったとき、ドイツにおけるすべてのベジタリアン組織を禁止し、その指導者を逮捕し、フランクフルトで出されていた主要なベジタリアン雑誌を発売禁止にした。ナチの迫害を受けて、肉食の国における少数派にすぎなかったドイツのベジタリアンは、国外に逃げるか地下にもぐることを強制された。ドイツの平和主義者でベジタリアンであったエドガー・クップファー=コーバーウィッツはパリへ、続いたイタリアへ逃亡し、そこでゲシュタポに逮捕されて、ダッハウの強制収容所へ送られた。戦時中ナチス・ドイツはベジタリアンの食事が戦時中の食糧不足を緩和するにもかかわらず占領地域におけるすべてのベジタリアン組織を禁止した。

歴史家ロバート・ペインによると、ヒトラーが厳格なベジタリアンであったという神話は、主としてナチス・ドイツの宣伝大臣ヨーセフ・ゲッベルスの功績である。
ヒトラーの禁欲主義は彼がドイツに投げかけるイメージにおいて重要な役割を演じた。広範に信じられている伝説によると、彼は煙草を吸わないし、酒を飲まないし、肉を食べないし、女性と何もしない。最初のものだけが真実である。彼はビールや薄めたワインを頻繁に飲んだ。バヴァリアのソーセージが大好物だったし、愛人のエヴァ・ブラウンがいたし、彼女はベルグホフで彼と静かに暮らしていた。女性とその他の控えめな情事もあった。彼の禁欲主義はゲッベルズが彼の全面的な献身、自己制御、並の人間とは違うことを強調するために発明したフィクションである。この禁欲主義の外見上の見せ物によって、彼は国民へのサービスに献身していると主張できたのである。

実際ヒトラーは「著しく自分を甘やかしており、禁欲の本能などまったくもっていなかった」とベインは書いている。

彼の料理人はヴィリー・カンネンベルクという大変肥満した男で、極上の料理を作り、宮廷道化師のような人物だった。ヒトラーはソーセージの形態以外の肉は好きではなかったし、魚は全く食べなかったが、キャビアは好きだった。彼は甘いもの、砂糖漬け果物、クリームケーキについては通で、こうしたものをたらふく食べた。彼はクリームと砂糖を大量に入れた紅茶とコーヒーを飲んだ。彼ほど甘党の独裁者は前代未聞である。

同情と穏やかさについては、そうしたものはヒトラーにとって唾棄すべきものであり、彼は力が正義であり、強者は地球をまるごと受け継ぐに値すると信じていた。かれはベジタリアンの非暴力哲学を軽蔑しており、ガンジーをあざけっていた。




veg

「存在の耐えられない軽さ」

「存在の耐えられない軽さ」より抜粋 (著者ミラン・クンデラ)
 
人間の真の善良さは、いかなる力を持て維持することない人にのみ純粋にそして自由にあらわれうるのである。人類の新の道徳的テスト、そのもっとも基本的なものは(とても深く埋もれているので、われわれの視覚では見えない)人類にゆだねられているもの、すなわち、動物に対する関係の中にある。そして、この点で人間は根本的な崩壊、ほかのすべてのことがそこから出てくるきわめて根本的な崩壊に達する


創世記の冒頭に、神は鳥や魚や獣の支配をまかせるために人を創造されたと、書かれている。もちろん創世記を書いたのは人間で、馬ではない。神が本当に人間に他の生き物を支配するようにまかせたのかどうかはまったく定かではない。どちらかといえば、人間が牛や馬を支配する統治を聖なるものとするために神を考え出したように思える。そう、鹿なり牛を殺す権利というものは、どんなに血なまぐさい戦争のときでさえ、人類が友好的に一致できる唯一のものなのである。


その権利はわれわれが階級組織のトップに位しているので、われわれには当然のことのように見える。しかし、たとえば他の惑星からの訪問者のような誰か第三者をこのゲームに登場させて、神様がその者に「すべての他の星の生き物を支配すべし」といったとしたらどうであろう。創世記のもつ当然性というものが、急に問題になってくる。火星人の車を引っぱるためにつながれた人間や、あるいは銀河から来た生き物に串焼きにされた人間が、自分の皿の上でよく切っていた小牛の骨付きあばら肉のことをもしかして思い出し、牛に(遅かりしだが!)謝るかもしれない。


そんなわけで、自分たちの横腹を相手の横腹にこすりつける雌牛たちと、テレザは歩みを進め、牛はとても可愛らしい動物だと独りごとをいう。静かで、ずるくなく、ときには、子供のように陽気で、まるで、十四歳のふりをする太った五十女のようである。じゃれている雌牛ほど感動的なものはない。テレザはそれを同情をもって眺めて、人間というものは、サナダムシが人間に寄生するように、牛に寄生して、ヒルのようにその乳房に吸いつくのだと独りごとをいう。人間は牛の寄生虫であると、人間の動物誌の中で非人間はそう定義するであろう。






「存在の耐えられない軽さ」
この本は『究極の恋愛小説』みたいな帯つきで売り出されたけれども、じっさいはそうではない。恋愛も重要な要素ではあるけど、責任を負う重さに耐えるのか、無意味な軽さに耐えるのか、どちらを選択するのか?ということがテーマである。
上記の、人と動物との関係の鋭い洞察にあるように、クンデラはものごとの本質とキッチュ(俗悪)なものを混同させることなく私たちに明確に提示し、考える材料を与えてくれる。



kitara

まともな理屈ではない

2014年6月13日の朝日新聞に、安倍政権が目指す集団的自衛権行使について書かれてありました。

安部政権は集団的自衛権容認の根拠に、1972年の政府見解を引用しようとしているそうです。
しかしこの当時の見解は、行使が憲法上許されないと明記。そこから安倍政権は、むりやり行使を認める結論を導き出そうとしているそうです。つまり
「政府見解を一変させることを国民に納得してもらうため、従来の解釈を全否定するわけではないと強調する狙いがある」
実に姑息です。

このことについて、秀逸な記事が同新聞に掲載されていました。
DSC01267_R.jpg

「まともな理屈でない」
72年の政府見解は集団的自衛権を行使できない理由を述べている。結論は明らかにだめだと書いてある。
一部を切り取ることが許されるならどんな解釈も可能だが、見解はあくまで全体で判断すべきものだ。そもそも集団的自衛権は、ちょっとだけ使うという便利なものではない。行使は戦争に参加することだから、日本が「必要最小限度の範囲」で武力を使ったつもりでも、相手国にとっては敵国となり、日本の領土が攻撃される恐れもある。
憲法9条、あるいは前文や13条をどう読んでも、集団的自衛権は否定されているという結論にしかならない。行使を認めるなら、それは憲法解釈とは言えず、憲法の無視だ。政府や自民党は72年見解を持ち出してきているようだが、解釈を変える論理としては耐えられず、まともな法律論ではない。
公明党が検討中とされる理屈も理解できない。集団的自衛権を使うのは、日本が武力攻撃を受けていない状況が前提になる。日本が攻撃を受けていないのに、国外で起きている事態がどうして「国民の権利を根底から覆る事態」になるのか理解できない。


メモ souke



タバコ 年表

タバコ 年表

1986 年 ドイツ、タバコの動物実験を禁止。
1995 年 スロバキア、タバコの動物実験を禁止。
1997 年 イギリス、タバコの動物実験を禁止。
2003 年 エストニア、タバコの動物実験を禁止。
2005 年 カナダ、タバコの動物実験を禁止。
2008 年 ベルギー、タバコの動物実験を禁止。
2012 年 日本 理化学研究所 
喫煙と肺気腫の関係を調べるために、マウスへの強制喫煙を行う
2013 年 日本 杏林大学医学部 
喫煙と気道炎症の関係を調べるために、マウスへの強制喫煙を行う。




タバコを強制喫煙させられる動物は、
タバコの煙がガラス容器の中に入ってこないように、自分の顔を使って蓋をする。

A.P.シルバーマンによる、タバコの動物実験(1978年)

『喫煙による長期間の影響を調べるために、シルバーマンはそれぞれの動物にガラス容器を用意して、タバコ煙流がガラス管を通って容器に入るようにした。その間動物はずっとガラス容器の中で生活し、餌と水は与えられたが、それ以外のものは与えられなかった。
しばらくして、この実験結果が得られる前に、この実験そのものが失敗であることが判明した。多くの動物が自分自身の顔でガラス管の端ををふさいで、容器の中に煙が入ってくるのを防ぐことを学習したからである。マウスやハムスターの顔はなめらかで、卵型で、ガラス管をふさぐ仕事にぴったりの大きさだった。動物のうち数匹はガラス管の端に顔を押し込むことを学び、煙を防いだ。
空気は、このガラス管から流れてくるものが唯一のものであったため、動物たちが事態を理解する前に、一部の動物は窒息死していた』
(「動物たちの心の世界」より)

image094.jpg

写真は強制喫煙させられるラット




参考
「Animals Don't Smoke」キャンペーンサイト peta
理化学研究所
杏林大学医学部第一内科学




kita

「僕は動物が農場で拷問を受けているのを見て、その残酷さを正当化できなかった」

Bring Me The Horizon のボーカル 
オリバー・サイクスはヴィーガン
jXdqnad.jpg


オリバーは、インターネットで動物虐待についてのドキュメンタリーを見た後、2003年にベジタリアンに。
「僕は動物が農場で拷問を受けているのを見て、その残酷さを正当化できなかった」 PETA ウェブサイトより

2013年、ヴィーガンに。







veg