二枚貝は痛みを感じるか?

アサリとかカキとかシジミとかの二枚貝は中枢神経がなく、刺激を検知するルートはあるけど痛みを感じることはない。植物と似ている。
二枚貝の生産過程と、小麦やイチゴやビーガンサプリの生産過程を比べると、トータルで収穫の際などの動物の犠牲が多いのは後者であり、環境負荷も後者のほうが高い。
二枚貝を食べる人を「動物虐待」などと攻撃するのはあまり生産的なことではないだろう、というような記事。


On the Consumption of Bivalves
David Cascio

https://medium.com/@TheAnimalist/on-the-consumption-of-bivalves-bdde8db6d4ba#.5loq5c3y9
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「母性」を調べるために行われた動物実験

ハリーは雌のラットの卵巣を切除し、盲目にし、嗅球を取り除いた。
目が見えなかろうが、ホルモンを奪われようが関係なかった。
母ネズミは断固として、子ネズミのほうへ這っていった。
いくぶん動きがにぶくはなったものの、子供を求める本能は、北を指す方位磁石のように絶対的な力を持っていた。

「愛を科学で測った男‐異端の心理学者ハリー・ハーロウとサル実験の真実」より

母性がどういうものか調べるために行われた動物実験です。

40年も前に行われていたこのような実験は、今も続けられています。
http://investigations.peta.org/nih-baby-monkey-experiments/?utm_campaign=NIH%20Investigation&utm_source=PETA%20E-Mail&utm_medium=Alert


「母性」がどういったものかは、動物実験の結果をまたずとも、多くの人は知っているでしょう。


kita

虫はどれくらい苦しむか

動物実験では3Rの基本理念が守られなければなりません。

Replacement(代替)
「できる限り動物を供する方法に代わり得るものを利用すること」
Reduction(削減)
「できる限りその利用に供される動物の数を少なくすること」
Refinement(改善)
「できる限り動物に苦痛を与えないこと」

この「動物」の定義に「虫」は入るのか?

最近、哺乳類や脊椎動物の代わりの、カイコをつかおうという動きがでてきてます。
カイコを歯周病にさせたり、糖尿病にさせたり、ウイルスに感染させたりして、病気モデルのカイコが作り出されています。
http://genome-pharm.jp/topics/images/parameter_value03.pdf
カイコを使ってワクチンを大量生産したり、クモの糸の遺伝子を組み込んで「頑丈な糸」をカイコに産出させることも行われています。
http://matome.naver.jp/odai/2141809158218540601

OIEの陸生動物衛生規約の動物実験についての章には、
3Rの「Refinement」は、より単純な種を実験動物として選択していくことを含む、と書かれています。

『Refinement: 痛み、苦痛、苦悩あるいは継続的な害を防止する、軽減するあるいは最小化する方法及び/あるいは使用する動物のウェルフェアを向上する方法の活用。Refinementには、より神経系が構造的及び機能的に複雑ではない種及びこれらが複雑でないため経験を明確に記憶しにくい種を適切に選択することを含む』
http://www.oie.int/index.php?id=169&L=0&htmfile=chapitre_aw_research_education.htm

脊椎動物よりも、無脊椎動物のほうが単純な構造だと考えるなら、マウスやサルや豚や犬の代わりに、昆虫を使うのはOIEの規約にかなっているといえます。

欧州評議会の「実験及びその他の科学的目的のために使用される脊椎動物の保護のための欧州条約」では、この条約の対象動物はそのタイトルどおり「脊椎動物」とされています。
http://conventions.coe.int/treaty/en/treaties/html/123.htm

欧州連合(EU)の「科学的な目的のために使用される動物の保護に関する指令」では、対象動物は欧州評議会のいう「脊椎動物」だけではなく、「痛みを感じることが科学的に証明されている円口類や頭足類も含めるべき」としています。
http://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/HTML/?uri=CELEX:32010L0063&from=EN

しかしいずれも「昆虫」が3Rを考慮されるべき対象動物とはしていません。

昆虫なら実験に使っても良いのか?

北米の科学者の集まりであるScientists Center for Animal Welfare (SCAW)による「動物実験処置の苦痛分類」には、『無脊椎動物も神経系を持っており,刺激に反応する。従って無脊椎動物も人道的に扱われなければならない。』
と書かれています。
http://www.kokudoukyou.org/index.php?page=siryou_index

昆虫と私たちが枝分かれしたのは7、8億年も昔のことで、神経系はそれぞれ別々に独自の進化をとげてきました。昆虫と私の感覚はかなり違うのではないかとも思います。しかし昆虫が刺激に対して反応するのは確かで、殺虫剤をかけられたゴキブリが「苦しそうに」ジタバタするのは間違いありません。

痛みを感じるのか感じないのか分からないのであれば、「感じる」と想定して事を進めたほうが失うものが少ないのは確かです。

ムカデのお母さんは、子供を産んだらぐるぐる丸まって自分の子供を中に囲んで、大事に育てます。
http://www.geocities.jp/tobizu_mukade/kosodate.htm
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ハエの研究をしている知人によると、あまり異性にもてないハエは酒にたかる率が高いそうです。

アマゾンアリの集落を研究したロシアの昆虫学者マレコフスキーは「2匹のアリが一匹のアリのコブを切断し、3匹のアリがもう一匹のアリのわき腹に刺さったトゲを抜いている」のに気がついたそうです。「それらの手術はアリ塚の前で行われ、外科医のアリが手術をしているあいだ、他のアリたちは患者の周りに円を描いていた」
(「罪なきものの虐殺」ハンス・リューシュ)







植物もヒトも昆虫も他の動物たちも、何十億年も前のもともとの祖先は一緒です。

46億年前に地球が誕生し、
40億年前に海の中で単純な構造の原核生物が現れ
21億年前に真核生物(細胞核を持つ生物)が現れ
植物と動物が枝分かれしたのは、10億年前です。
その後7、8億年前に脊椎動物と無脊椎動物(昆虫やタコなどの軟体動物)が枝分かれをして
3億年ほど前に魚類/両生類/爬虫類は哺乳類と枝分かれし、それぞれに進化していきます。
(爬虫類からその後、鳥類が枝分かれしています。)

http://livedoor.blogimg.jp/htmll-hokan/imgs/0/d/0d84e094.jpg
http://www.eonet.ne.jp/~libell/tikyuu.html#28

他の種を実験に使っているのは人間だけです。

いずれにせよ、植物であろうが昆虫であろうが動物であろうが、わたしたちは他の種を実験に使うのをやめていくべきでしょう。



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不安と混乱

信州大学農学部の研究では牛は群れの牛すべてと親和関係を形成することはできないそうです。
牛は平均5頭程度の相手としか親和関係を形成できない。だから囲いの中に入れるのは5頭だけにしたほうがいいということです。

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アメリカ産の牛の肉は、フィードロットというところに大量の牛を囲い込んで太らせることで作られます。
こんな風にたくさんの見知らぬ牛と一緒に囲われた牛たちは、不安とストレスを抱えて生きています。

鶏も同じです。肉用に飼育される鶏は数万単位で同じ鶏舎に収容されますが、鶏が安定した社会秩序を保てるのは90羽までだという研究もあります。
大量に詰め込まれ、相手の羽をつつき、混乱している鶏の気持ちが手に取るように分かります。鶏が心の安らぎを得ることはなく、わずか1ヶ月半で出荷され、と殺されます。

工場型畜産とは
http://www.hopeforanimals.org/



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きょうだい愛

動物に親子愛があることは知られています。

分娩後、半日でも一緒に過ごした母牛と子牛を引き離すと、お互いを求めて鳴きます。特に母牛は、子を求めて激しく咆えます。
豚は一般的に子育てが上手で、注意深く子供を育てます。自分が横たわるときは子豚を踏み潰さないよう、次第に体を倒していきます。神経質な母豚の中には、子豚の世話をする管理者に対して、それを妨げようと向かってくることもあるそうです。
卵が孵化する前から雌鶏と雛は会話をします。孵化する数日前になると雛は卵の中で声をあげるそうです。それに対して雌鶏が安心させる声をかけると、雛は喜びの声をかえします。雛が産まれてからも、雌鶏は子供に細心の注意を払います。体に悪いものを食べてしまわないよう、雛をまずい餌から遠ざけます。

しかし親子愛だけではありません。
動物のきょうだい愛も報告されています。

ヒメヤマセミ
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ヒメヤマセミは、お父さん、お母さんに加えて「お兄さん」が、大きな役割を果たしているそうです。巣の雛たちに、お兄さんも湖の魚を獲って運びます。その働きぶりは大変なもので、運んだ魚の量は両親と同じ量。巣に餌を運んだあとは、近くの木の枝にとまって、しばらく巣を見守ります。
ドイツの動物行動学者ライアー氏によると、1年たって生き残っていたお兄さんは54%だったそうです。そのうち自分の巣を持つことができたお兄さんはさらにその半分くらい。お兄さんは1年目にたくさん餌を与えたため衰弱してしまったのだろうと考えられています。



引用
豚は月夜に歌う ジェフリー・M・マッソン著
家畜行動学 三村 耕編著
動物に心はあるだろうか? 松島俊也著
※ヒメヤマセミの部分は「動物に心はあるだろうか?」より




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